住宅購入で住む場所選びで失敗しない！後悔しないポイントを解説

理想の住宅購入を始める前に考えるべきこと

住宅購入前は考えるべきことが多く、慎重に判断しないといけません。予算設定と資金計画、購入目的の明確化、住宅タイプの選択など、事前の準備が大切です。購入後の生活に支障が出ないよう、住宅探しを始める前にどのようなことを考えるべきか解説していきます。

住宅購入の基本ステップ

住宅購入の全体の流れを理解しておくと、不安の解消に繋がり、手続きをスムーズに進められます。基本的な流れは以下のようになります。

 

1. 資金計画を立てる
2. 情報収集をする
3. 物件を見学する
4. 購入物件を絞り込む
5. 住宅ローンの事前審査
6. 重要事項説明を受け、契約の手続きを行う
7. 住宅ローンの申し込み、契約
8. 内覧
9. 住宅ローンの支払い開始
10. 物件の引渡し

 

新築と中古住宅では、必要なステップが若干異なる場合がありますが、基本的な流れを把握しておけば、住宅を探す際に見通しを持って購入を進められます。

予算設定と資金計画を立てる

住宅購入を始める前に、まずは予算設定と資金計画を立てましょう。なぜなら、計画的な資金管理ができないと、購入後の生活に支障をきたすからです。具体的には、以下の点を明確にしましょう。

• 頭金としてどれくらい用意できるか
• 住宅ローンをいくら組めるか
• 毎月の返済額で生活費を圧迫しないか

また、住宅の購入費用以外にも、以下のような諸費用がかかることを覚えておきましょう。

• 不動産登記の費用
• 引っ越しの費用
• 地震保険料
• 火災保険料

多くの方が住宅ローンを利用して購入しますが、これは長期にわたる返済を意味します。そのため、将来の教育費や老後の資金も考えて計画を立てましょう。

購入目的を明確にする

住宅は一度購入すると、簡単に場所を変更できないため、購入目的を明確にすることは、後悔のない選択に繋がります。購入目的が明確だと以下のようなメリットがあります。

• 余計な選択肢を排除できる
• ライフステージにあった住宅を選びやすくなる
• 購入後の後悔を減らせる

家族構成や生活スタイルによって、求める条件は異なります。たとえば、子育て世帯なら学校や公園までの距離を重視し、祖父母との同居を考えるなら、バリアフリー化された環境を整えたりすることが大切です。購入前に家族で十分な話し合いを行い、全員が納得できる目的を決めましょう。

住宅タイプの選択肢を把握する

主な住宅のタイプは、以下の5種類になります。

住宅タイプ	特徴
注文住宅	間取りやデザイン、素材を細かく決められる
規格住宅	規格があらかじめ決まっているため、費用を抑えられる
建売分譲住宅	すでに建てられている住宅から、実物を見て検討できる
中古住宅	新築住宅より安く購入できる
新築マンション	最新の設備が揃っていて、耐震性能が高い
中古マンション	物件数が多く、希望のエリアを見つけやすい

住宅購入を検討する際は、これらの項目から優先順位を付けて選んでいきましょう。住宅ごとに特徴は異なるため、ご自身のニーズや予算に合わせて検討してください。

家族構成とライフスタイルの変化を考える

現在の家族構成やライフスタイルだけでなく、将来の変化も考慮しましょう。その理由は、長期的な計画を立てると、長く快適に暮らせるようになるからです。

 

たとえば、子どもが増えたり成長したりすると部屋の数や生活スペースが変わったり、親と同居する場合はバリアフリー化や部屋の配置を考えたりすることが重要になります。また、ご自身の老後の生活のために、手すりの設置や段差の調整も必要です。現在だけでなく5年後、10年後、さらには老後の生活まで見据えた計画を立てましょう。

住みたい地域の特徴と条件

住宅購入の場所選びでは、地域の特徴や条件の理解も重要です。安全性や利便性、教育環境など、暮らしやすさに左右する要素を、5つの視点からチェックしていきましょう。

地域の安全性と治安情報

住宅購入後は、その地域で長期にわたって住むことになります。治安の良い地域であれば、日常生活をストレスなく過ごせるでしょう。

夜遅い帰宅時や子どもの外出時も安心できるため、子育て世帯の方はもちろん、子どもがいない家庭にとっても大切な要素です。一方で、治安の悪い地域で住宅を購入してしまうと、空き巣や泥棒、交通事故、ストーカー被害など、様々な危険にさらされる可能性があります。

地域の治安を確認するには、以下の2つの方法がおすすめです。

• 警察や自治体のウェブサイトをチェックする
• 現地を複数回訪れる

ウェブサイトでは、市町村ごとに犯罪発生率の増減が確認でき、どのような犯罪が多いのかもわかります。

また、時間帯によって周辺の様子は大きく変化します。平日は通勤・通学で賑わう地域でも、夜間は人通りが少なくなるかもしれません。実際の生活をイメージするために、様々な時間帯に足を運んでみましょう。

公共交通機関とアクセスの利便性

公共交通機関とアクセスの利便性は、家族全員の生活に直結します。通勤・通学は毎日の習慣となるため、移動時間は生活の質を大きく左右します。

便利な公共交通機関がある地域では、以下の3つのメリットがあります。

• 駅やバス停が家から近いと、目的地へのアクセスが簡単
• 電車やバスの本数が多いと、待ち時間が少ない
• 複数の路線が利用できると、行動範囲が広がる

マイカーがない場合は、スーパーでの買い物や病院への通院など、日常的な外出もすべて公共交通機関に頼ることになるため、より重要性が増します。住宅購入前には、実際に通勤や通学ルートを試してみましょう。ラッシュ時の混雑具合や、悪天候で移動のしやすさも確認できます。

教育機関や医療機関の充実度

子育て世帯にとって、近くに小学校や中学校、高校や塾が近くにあると、子どもの選択肢が広がり、興味を持ったことに対しての教育が受けられます。将来の進路選択の幅が広がるだけでなく、勉強と部活動に集中しやすくなります。子育て世帯が多く集まる地域では、子ども同士の交流も活発で、より良い教育環境が整っています。

 

また、周辺に病院やクリニックが充実していれば、病気やケガに対して素早く対応できます。祖父母との同居を考えている場合は、通院の負担を減らすため、医療機関までの距離も確認しておきましょう。

買い物や娯楽施設の充実

スーパーやコンビニ、ショッピングモールが近くにあると、食料品や日用品をすぐに買うことができ、遠出する必要がありません。徒歩圏内で買い物が済む場所なら、移動時間も短縮できて便利です。商業施設やカフェが集まる場所は、地域住民の交流の場となっているだけでなく、季節ごとのイベントも開催されています。また、再開発が進んでいるエリアでは、新規オープン予定の施設にも注目しましょう。レジャー施設が充実している地域なら、休日の過ごし方の幅も広がります。

自然環境と住宅地の環境

自然に囲まれた場所はリラックス効果も得やすく、四季折々の景色を楽しめます。ですが、山沿いや川沿いの地域では、土砂災害や洪水のリスクがあるため、購入前に「ハザードマップ」での確認が必須です。

 

また、隣家との距離が近い場所は騒音が気になり安く、車通りの多いエリアは子どもの遊び場としては適していません。自然環境と利便性、どちらか一方に偏りすぎると生活のしづらさに繋がります。両方のバランスが取れた場所を選ぶことで、快適な環境を実現できます。

【国土交通省】ハザードマップポータルサイト：身のまわりの災害リスクを調べる

地域の将来性と資産価値の見極め方

地域の将来性と資産価値を見極めるには、以下の3つのポイントが大切になります。

 

• 開発計画と人口動態
• 地価の推移と将来の予測
• 周辺施設の新設予定

開発計画と人口動態

住宅購入を検討する際、その地域の開発計画や人口動態は重要な判断材料となります。開発計画には、新しいインフラの整備や商業施設の建設、交通網の拡充などが含まれます。これらの開発により地域の利便性は大きく向上し、より住みやすい環境が整っていきます。駅周辺の開発は注目すべきポイントで、アクセスの良い駅近の住宅は将来的な人気も期待できるでしょう。

 

また、再開発が進む地域は多くの人が住みたいと考える傾向にあります。再開発によって地域全体のイメージが向上し、それに伴って住宅の資産価値も上がりやすくなります。さらに、人口が増加している地域では、商業施設や公共サービスが充実する好循環が生まれます。若い世代が多い地域では、将来的な需要も期待でき、資産価値も保たれやすいです。

地価の推移と将来の予測

地価が安定または上昇している地域での住宅購入は、将来の売却時の資産として期待できます。地価上昇が見込まれる地域には、いくつかの特徴があります。人口が増加している都市部や地方都市、商業施設や公共交通機関の整備などの開発計画が進んでいる地域などです。このような地域では資産価値の維持に繋がります。

 

一方で、少子高齢化により人口が減少している地域では、地価が下落する傾向にあり、資産価値も下がりやすくなります。将来の地価を予測する際は、以下のポイントに注目しましょう。

• 人口動態の変化
• 地域の経済状況
• インフラの整備計画
• 自治体ごとの政策

地価の動向については、国土交通省が公表している「地価公示」で確認ができます。合わせてチェックしておきましょう。

【国土交通省】地価公示

周辺施設の新設予定

新しい施設の建設は、その地域に人を呼び込む効果があり、それに伴って住宅価格も上昇する傾向にあります。そのため、周辺施設の新設予定は、住宅の資産価値を見極める上で重要な要素と言えます。

注目すべき施設としては、以下の5つの施設になります。

• ショッピングモール
• 商業施設
• 学校
• 病院
• 駅

ただし、開発計画は地域によって大きく異なります。購入を検討している地域の開発計画については、自治体のウェブサイトや不動産会社への問い合わせなどで、詳しい情報を集めましょう。

地域コミュニティの発展

活発なコミュニティがある地域では、住民同士の交流が盛んで、災害時や緊急時のサポートを受けやすいという大きなメリットがあります。子育て世帯やご高齢の方にとっては、地域のサポートがあると安心して生活を送れます。

具体的な地域コミュニティの活動としては、以下のとおりになります。

• 夏祭りなどの季節のイベントの開催している
• 子育て世帯が集まれる場所がある
• ボランティア活動が盛んに行われている

上記のような活動を通じて、住民同士の信頼関係が築かれ、地域全体の一体感が生まれていきます。住民同士の交流はより生活の満足度が高まりやすく、長期にわたってその地域に住み続けたいと感じるようになるでしょう。

ただし、地域コミュニティとの関わり方は、個人の価値観やライフスタイルによって異なります。過度な付き合いを求められると、かえってストレスを感じる方もいるでしょう。そのため、自分や家族のライフスタイルに合った適度な距離感で地域コミュニティと関わることが大切です。

実際の地域比較と下見の重要性

住宅の場所選びでは、現地での確認も欠かせません。地図やネットの情報だけでは分からない周辺環境や生活のしやすさは、実際に足を運んでみて初めて分かることが多いものです。

 

ここでは、住宅購入時の現地訪問でのチェックポイントや確認方法について紹介していきます。

現地訪問時のチェックポイント

現地訪問での確認すべきチェックポイントは、以下の5つになります。

• 交通量や周辺施設の騒音
• 実家との距離
• 時間帯による日当たりの変化
• 土地の形状や傾斜
• 最寄り駅やバス停までの距離

交通量や周辺施設の騒音

主要道路沿いや商業施設の近くは、予想以上に騒音が気になります。車の往来が多い道路では、朝夕の通勤時間帯は騒がしくなりやすいでしょう。

実家との距離

実家との距離も重要なポイントです。両親の介護を考えると、適度な距離が求められます。遠すぎると緊急時の対応が難しく、近すぎると互いのプライバシーが保ちにくくなります。

時間帯による日当たりの変化

日当たりの確認も欠かせません。朝は日が差していても、夕方には周辺の建物の影響で暗くなってしまう場合があります。季節によって日の傾きも変わるため、年間を通じた日当たりを考慮する必要があります。

土地の形状や傾斜

土地の形状や傾斜も入念にチェックしましょう。傾斜が急な土地では、車や自転車の出入りが困難になります。また、大型の家具などを運び込む際にも苦労する可能性があります。

最寄り駅やバス停までの距離

最寄り駅やバス停からの距離は、日々の生活に大きく影響します。特に通勤・通学で公共交通機関を利用する方は、アクセスの良さを重視すべきでしょう。時間帯や曜日によって周辺の雰囲気は大きく変わります。可能であれば、平日・休日それぞれの朝・昼・晩に訪れてみましょう。

住民の声と生活のリアル

実際にその地域に住んでいる人の話は、調べているだけではわからないことが発見できます。直接話を聞くと、以下のような情報を得られます。

• その地域の住み心地
• 実際の利便性
• 騒音や治安の状況

ただし、個人の主観が入る可能性があるため、できるだけ複数の方から話を聞いてみましょう。その際は、プライバシーに配慮して、過度な質問は控えめにしましょう。

オンラインとオフラインの情報収集メリット

住宅購入の情報収集には、オンラインとオフラインがあります。それぞれのメリット、デメリットは以下のとおりです。

 

情報収集の方法	メリット	デメリット
オンライン	幅広い情報を効率よく集められ、希望する条件で絞り込める	情報を見極めるのが難しく、実際の雰囲気や環境が分かりづらい
オフライン	住宅展示場や

 

効率的な情報収集のためには、両方をうまく組み合わせましょう。たとえば、オンラインで条件に合う物件を絞り込んでから、実際に見学に行くという方法があります。また、現地で得た情報をもとに、オンラインでさらに詳しく調査するという使い方もできます。オンラインとオフラインそれぞれの特徴を活かした情報収集は、住宅購入をよりスムーズに進められます。

購入予定の住宅の不動産価値を見極める

物件の状態はもちろん、立地や利便性なども含めて総合的に判断する必要があります。適切な不動産価値の見極めは、将来的な資産価値の維持や売却時の判断材料にもなります。

不動産価値を見極めるための重要なポイントは主に4つあります。

• 周辺の交通アクセス
• 住宅の設備や耐震性
• 土地の形状
• 人気のエリア

また、周辺地域での再開発計画や新しい交通機関の開通予定なども、将来の不動産価値に影響します。たとえば、新駅の開設がある地域では、将来的な価値の上昇が期待できます。

購入後の生活を考慮した準備と注意点

住宅購入後は、新生活に向けたさまざまな準備があります。引っ越しのタイミングやインフラの手続きなど、日々の生活に支障が出ないよう、事前にスケジュールを立てて計画的に進めていきましょう。

引越しのタイミングを決める

住宅購入後、まず考えないといけないのが引越しのタイミングです。というのも、引っ越しをする時期によって、費用が異なるからです。特に、ゴールデンウィークや年末年始などの繁忙期は料金が高く、希望の日時が取りにくくなります。

 

可能であれば、引っ越しのタイミングは閑散期がおすすめです。費用を抑えられるだけでなく、予約も取りやすくなります。閑散期は、主に以下の期間になります

• 5〜8月
• 11〜2月

また、平日と休日でも費用が異なります。休日のほうが料金が高くなりやすいため、引っ越し日を平日にすると、コスト削減に繋がります。引越し後のご近所付き合いを円滑にするためにも、事前にゴミ出しのルールや自治会の有無も確認しておきましょう。引越し後は、近隣住民との良好な関係を築くために、必ず挨拶回りを行ってください。

新生活で必要なインフラ整備

新居での新生活をスムーズに始めるためには、インフラの整備が必要不可欠です。生活に必要なインフラは、主に以下のとおりになります。

• 電気
• ガス
• 水道
• 固定電話
• インターネット

上記のインフラの手続きは、引越し日の約1ヶ月前から始めるのが理想的です。各サービスを提供している会社に連絡を取り、利用開始日を確認しましょう。電気やガスは、手続きが遅れると入居後すぐに使えない可能性があります。生活に支障が出ないよう、余裕を持って準備を進めましょう。

新居のメンテナンスと修理

賃貸と異なり、持ち家の場合は経年劣化による修繕やメンテナンスは所有者の責任となります。劣化箇所を放置すると被害が拡大し、より多額の修繕費用が必要になってしまいます。

 

一般的に修繕やメンテナンスは、築5〜10年を目安に実施が推奨されます。築年数が経過すると、外壁塗装や屋根の修理などの大規模な工事が必要になることがあります。こうした急なトラブルに備えて、計画的な修繕費用の積立が重要です。定期的な点検とメンテナンスによって、住宅の寿命を延ばし、快適な住環境を長く維持できます。

住宅ローン以外でかかる費用

住宅購入後は、住宅ローンの返済以外にも様々な費用が発生します。賃貸と違い、所有者として負担する費用は以下のとおりです。

各種費用	特徴
不動産所得税	不動産購入時に1回だけ払う税金
都市計画税	市街区域内の物件に課される税金
固定資産税	年1回に土地と建物に対してかかる税金
火災保険	火災や自然災害を補償してくれる保険
地震保険	地震による被害を補償してくれる保険

これらの費用を考慮した無理のない家計管理が必要です。住宅ローンの返済だけでなく、税金や保険料も含めた資金計画を立てましょう。

地域行事への参加と地域の一員としての生活

地域の一員として生活する上で、近隣住民との交流は地域全体の一体感が生まれ、安心して生活を送るための基盤となります。引っ越してきたばかりの時期は、地域行事への参加で顔見知りを増やせます。災害時や緊急時の助け合いにもつながりますし、地域独自の文化や伝統を理解する良い機会にもなります。

 

ただし、地域行事への参加は強制ではありません。個人の価値観や生活スタイルは様々です。地域との関わり方は人それぞれ異なりますので、無理のない範囲で自分のペースに合わせて参加しましょう。

まとめ

本記事では、住宅購入における場所選びで失敗しないためのポイントを解説しました。一度住宅を購入すると場所の変更はできません。そのため購入前には、周辺地域の下見、地域コミュニティの確認、将来的な資産価値の見極めが重要になります。また、購入後の生活を見据えて、引っ越しのタイミングやインフラ開通の手続きなども計画的に進めましょう。住宅ローン以外の諸費用も考慮し、無理のない返済計画を立てましょう。

 

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