新築の建売住宅を購入する時の流れや注意点を解説
「家を買うなら、注文住宅より費用がおさえらえる建売住宅が良いかも…」と思っていませんか?完成した建売住宅なら、「イメージと違った」というリスクもありませんし、スムーズに新しい生活をスタートを始められます。とはいえ、家の購入は初めてで、手続きの流れや注意点に不安を感じるものですよね。情報が多すぎて混乱したり、費用の見通しがつかず、計画が進まないと悩んでいる方も多いでしょう。
この記事では、初めてでも安心して建売住宅を購入できるよう、購入プロセスを丁寧に解説します。また、検討から契約、ローンの手続き、そして入居までについて、各プロセスをスムーズに進めるためのコツも紹介します。記事を読めば、建売住宅の購入においての「スケジュール感」や「ポイント」がわかります。この記事を読んで、効率よく憧れのマイホームを購入して、理想の生活を始めましょう。
【検討~売買契約】建売住宅を購入するまでの流れ
建売住宅を購入するまでの流れは、以下の5ステップです。
- ステップ1:購入前の準備
- ステップ2:情報収集と物件探し
- ステップ3:見学
- ステップ4:購入の申し込み
- ステップ5:売買契約
ステップ1:購入前の準備
住宅購入の第一歩はしっかりとした準備から始まります。まずは、下記の2点を検討しましょう。
- 予算の検討
- 希望条件の整理
予算の検討
住宅購入には多くの費用がかかるため、まずは予算の確認が必要です。家計の現状を見直し、無理なく支払える金額を把握しましょう。
一般的に、無理なく支払える返済額は「年間の返済額が年収の20〜25%以内」とされています。金融機関のウェブサイトにあるシミュレーションツールを使えば、自分の年収に合わせて簡単に返済金額を計算できます。無料で利用できるので、ぜひ試してみてくださいね。
「無理のない資金計画のたて方」については、「住宅購入で必要なお金をシミュレーションしよう!〜住宅ローン・現金一括~」で詳しく解説しています。住宅購入の「費用の総額」や「月々の支払い額」の具体的な数値がわかる記事なので、ぜひ参考にしてくださいね。
希望条件の整理
どのような物件が理想かを考えていきましょう。エリア、広さ、間取り、周辺環境などの希望条件を整理し、優先順位をつけることで、物件探しがスムーズになります。
希望条件の整理と優先順位付けのポイントは下記のとおりです。
エリア | 通勤や学校区など、ライフスタイルに合った場所を考える |
広さ | 広さは将来の家族構成を見越して選ぶ |
間取り | 家族の動線やプライベート空間を意識する |
周辺環境 | スーパーや病院、交通機関の近さを確認する |
希望条件を具体的にすることで、物件を効率的に絞り込めます。
ステップ2:情報収集と物件探し
建売住宅の情報収集と物件探しには、以下のような方法があります。
方法 | 特徴 |
インターネットの活用 | 豊富な物件情報の中から、希望条件に合わせて自分で検索できる |
折り込みチラシ | 地域の最新の物件情報が掲載されていることが多い |
不動産会社への直接訪問 | ネットには公開されていない地元ならではの情報を得られる可能性がある |
住宅相談窓口の利用 | ネット検索だけでは知りえない情報とともに、アドバイザーがさまざまな視点から提案してくれる |
最もベーシックなのは、インターネットで不動産ポータルサイトを活用する方法です。多くのサイトでは、地域、沿線・駅、通勤時間、予算などの条件で絞り込み検索ができるため、自分のニーズに合った物件を見つけやすいです。
いっぽう、一番失敗しにくく効率的なのは「住宅相談窓口」の利用で、近年インターネットの活用に次いで主流になりつつあります。住宅相談窓口では、会社の特徴や評判なども含め、個社に肩入れせずに中立的な立場から、住宅購入について無料サポートしてもらえます。
ステップ3:見学
気になる建売物件候補を現地で見学しましょう。建物の仕様や設備は、特に念入りに確認しましょう。水回りや収納スペースなど、日常生活で頻繁に使用する箇所は、購入後の満足度に大きく影響します。実際の価格はいくらかも聞いておくといいと思います。
また、平日と週末で周辺の雰囲気が変わることがあるため、見学は異なる時間帯に複数回行うようにしましょう。「夕方の西日が強すぎ」「通学時間に車が多い」など、一度では気づかなかった部分が見えてくるかもしれません。具体的にチェックする内容は、下記にまとめています。内覧時にぜひ活用してくださいね。
建物
- 広さや間取り
- 設備グレードや使い勝手
- 収納の広さ
- 点検口の位置
- コンセントやスイッチの位置
- 日当たり
- 外から見た室内の見えやすさ
- 駐車場の車の入れやすさ
- 住宅性能評価書の有無
土地や周辺環境
- 地盤の状態
- 利便性や治安
- 通学路や校風
- 土地の用途地域・建築条件
ステップ4:購入の申し込み
内覧後、購入を決めた物件があれば、不動産会社や販売会社へ購入を申し込みます。申し込みには法的拘束力はありませんが、基本的に購入を前提とした手続きになります。
申し込みをすれば、物件は一時的に確保されるため、他の購入希望者からの申し込みを防げる場合が多いです。
住宅ローンの事前審査
住宅ローンの事前審査を受けていない場合には、購入申し込みと同時に事前審査の申し込みをします。金融機関が返済能力を判断するため、審査には身分証明書や収入証明書などを提出しなければなりません。住宅ローンの事前審査で融資が通れば、本審査も通りやすいため、売買契約に進めます。
申し込み金
申し込みには、10万円程度の申込金が必要になるケースもあります。申し込み金は、契約が成立した際は手付金に充当され、契約に進まない場合は返金されるのが一般的です。申し込み金の条件や金額は、事前に確認しておきましょう。
ステップ5:売買契約
ローンの事前審査に問題がなければ、売買契約を締結します。
トラブルを防ぐためにも、売買契約時には特に下記の内容をチェックしておきましょう。
- 不動産の表示(住所・床面積・敷地面積など)
- 売買代金および支払い方法
- 所有権移転・引渡し時期・手付解除条件
- 瑕疵の責任
- 引渡し前の滅失・毀損
- 融資(ローン)利用の特約の有無
- 登記簿へ記載されている内容
- 建ぺい率・容積率・高さ制限
- インフラ整備状況
- 引渡し日や今後の流れ
- キャンセル条件や違約金の額
重要事項説明
契約時には、宅地建物取引業法によって重要事項の説明を受けることが義務付けられています。重要事項説明を通じて、物件の詳細や契約条件を十分に確認しましょう。
手付金
売買契約では、10%程度の手付金が必要になるケースが一般的です。契約を解除する場合は手付金は返金されませんので、慎重に判断しましょう。
【売買契約~入居】建売住宅を購入した後の流れ
建売住宅を購入した後、入居までの流れは3ステップです。
- ステップ1:住宅ローンの本審査・金銭消費貸借契約
- ステップ2:立ち合い検査
- ステップ3:残金の清算・引渡し・入居
ステップ1: 住宅ローンの本審査・金銭消費貸借契約
売買契約を結んだ後は、住宅ローンの本審査に進みます。住宅ローンの本審査に通れば、売主・買主・金融機関で融資実行日を決めて、金銭消費貸借契約を締結します。
契約時には、下記の内容に間違いがないかチェックしましょう。
- 住宅ローンの債務者、抵当権設定者の住所
- 借入金額及び返済期間
- 団体信用生命保険(団信)への加入
- 返済日(特に最初の返済日)
- 返済の方式や利率
- 返済方法(自動引き落としか口座振り込みか)
- 融資の実行日
住宅ローン特約
ローン審査が通らなかった場合には、契約を無効にできるローン特約が含まれているのが一般的です。ローン特約がなく審査が通らなかった際には、契約を解除するために、手付金を放棄したり違約金を支払ったりする必要があるので注意しましょう。
ステップ2:立ち合い検査
引き渡し前には、売主と買主の双方で立ち合い検査を行い、物件に不具合がないかを確認します。検査では、汚れ・傷・不具合などをチェックしていきます。必要があれば、引き渡し前に修繕を依頼しましょう。
ステップ3:残金の清算・引渡し・入居
引き渡し日は、物件の正式な所有者になる瞬間です。
諸経費の清算が終わって融資が実行され、司法書士が法務局で所有権と抵当権の登記を行うと、物件が引き渡されます。
引き渡しの際には、登記簿謄本や保証書などの重要書類ももらうので、内容を確認するようにしてください。また、トラブルを避けるためにも、書類は大切に保管しておきましょう。
住所変更の手続き
住所変更のための手続きは、下記のとおりです。
手続きする場所 | 内容 |
役場 | 住民票・マイナンバー・国民年金・国民健康保険・児童手当の異動手続き |
警察署・免許センター | 運転免許証の住所変更手続き |
警察署 | 車庫証明の再取得 |
運輸支局・自動車検査登録事務所 | 車検証の住所変更 |
学校 | 転校の手続き |
住宅購入による住所変更のタイミングは、「住宅ローンの契約前」か「引越し後14日以内」の2つです。
住所変更は、このどちらかのタイミングを選ぶことになりますが、選び方次第で税金や手続き方法が大きく異なるため慎重に検討しなければなりません。
それぞれのタイミングで住所変更するメリット・デメリットについては、「住宅購入するならいつ住民票を変更する?手続きが楽になるタイミングを解説」で詳しく解説しています。
間違えると面倒になりやすいので、ぜひ記事を参考にしてください。
引っ越しにともなう手続き
引っ越しには、下記の手続きが必要です。
- 賃貸の解約手続き
- 電気・ガス・水道の解約・契約手続き
- 郵便の転送手続き
入居後に困らないためにも、期日や手続き方法を確認しておきましょう。
建売住宅を購入する期間
建売住宅を購入する期間は、下記のとおりです。
- 予算決めや物件探しから購入までにかかる期間:4〜10ヶ月程度
- 購入してから入居までの期間:1~2ヶ月程度
希望の入居時期がある場合には、早めに販売会社に相談してスケジュールを調整しましょう。
予算決めや物件探しから購入までにかかる期間:4〜10ヶ月
予算決めや物件探しから購入契約までにかかる期間は、一般的に4〜10ヶ月程度です。
下記に内訳をまとめました。
- 予算決めと希望条件の整理: 1〜2ヶ月
- 物件探し: 2〜6ヶ月
- 内見と物件選定: 1〜2ヶ月
- 購入申し込みと売主の返答: 1週間程度
- 住宅ローンの事前審査: 3〜7日
ただし、この期間は個人の状況や物件の人気度によって変動します。あくまで目安として、参考程度にとどめておきましょう。
購入してから入居までの期間:1~2ヶ月
既に完成している建売住宅は、購入契約締結後から入居までの期間が1〜2ヶ月程度であるケースが多いです。残金を決済すれば基本的には引渡しできる状態なので、住宅ローンの本審査や金消契約がスムーズに進めば、購入から最短1か月程度で入居できます。
建売住宅の購入における注意点
建売住宅の購入における注意点を購入時と入居時に分けて詳しく解説します。
建売住宅を購入時の注意点
建売住宅を購入する際、以下の3つは忘れがちですが、いずれも重要です。
- 点検口の位置を確認する
- 地盤を確認する
- 重要事項説明書は事前に確認しておく
取り返しのつかない事態に発展しないよう、見落としがないように注意しましょう。
点検口の位置を確認する
建売住宅を購入する際には、点検口の位置にも気を配りましょう。点検口は、配管や電気設備などの確認や修理のための入口です。点検口の位置が不適切だと、修理のために壁や床を取り壊す必要があり、余計な費用がかかります。
例えば、点検口が水回りの周辺になければ水漏れの際に手間がかかりますが、適切に配置されていればスムーズに修理できます。リスクを回避し、メンテナンスを迅速に行うためにも、内見時には点検口がどこにあるかを確認しておきましょう。
地盤を確認する
建売住宅を購入する際は、地盤調査が行われているかどうかを必ずチェックしましょう。建物自体がどんなに頑丈でも、地盤に問題があると安全性を確保できません。地震などの災害時には、家が倒壊したり傾いたりするリスクが高くなります。
また新築時においても、外壁に早期にひびが入ったり、ドアや窓が開閉しづらくなったりといった不具合が発生するケースも考えられます。地盤調査のデータは、家を購入する前でも閲覧できます。安心して暮らすためにも、地盤調査の結果を見て、問題がないかどうか十分に確認しておきましょう。
重要事項説明書は事前に確認しておく
建売住宅を購入する際には、重要事項説明書のコピーを入手し、内容を事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
重要事項説明を理解できなかったからといって、契約を後から解除することはできません。説明に不備がある場合を除き、契約解除には手付金を放棄する必要があります。重要事項説明は売買契約の直前に行われるケースが多く、専門用語も多いため、その場ですべて理解するのは難しいです。疑問点を整理するためにも、重要事項説明書は事前にコピーをもらって目を通しておきましょう。
入居後の注意点
家計の資金繰りに困らないためにも、入居した後は以下の2点に注意しましょう。
- アフターサービスの活用する
- 金利変動に柔軟に対応する
アフターサービスの活用をする
住宅購入後に安心して暮らすためにも、保証や定期点検などのアフターサービスを活用しましょう。建売住宅には、保証期間が設けられていることが一般的です。不具合が見つかった場合、保証期間内であれば無料で修理してもらえることが多いため、費用負担を軽減できます。
いざというときに「保証が切れていた・・・」ということにならないよう、保証期間や保証内容は、購入時にしっかりと確認しておきましょう。
また、家に長く快適に住まうためには、定期点検やメンテナンスが必要不可欠です。一般的に、購入後の1年目や3年目、10年目といったタイミングで住宅会社や施工業者が点検を行います。小さな不具合が大きな問題になる前に、定期点検を活用して最小限の費用でメンテナンスを行いましょう。
金利変動に柔軟に対応する
変動金利を選択した場合、金利の動向に注意を払う必要があります。金融市場の変化に応じて金利が変動するため、定期的に金利の状況をチェックするようにしましょう。
家計への影響を最小限に抑えるためにも、金利が上昇した場合は下記の対策を検討してみてくださいね。
- 返済プランを見直す
- 固定金利へ切り替える
- 一部を繰上げて返済する
【成功への近道】建売住宅をスムーズに購入するための方法
建売住宅の購入において、失敗を回避してスムーズに購入を進めるためには、住宅相談窓口の利用がおすすめです。
住宅相談窓口は、家づくりの初期段階で情報収集や方向性を決定するための相談先になります。住宅購入に関する専門知識を持つアドバイザーが、中立的な立場からアドバイスをしてくれるのが大きな特徴です。
住宅相談窓口で具体的にできる内容は以下のとおりです。
できること | 詳細 |
資金計画 | 年収や状況に応じた無理のない資金計画がわかる
→現実的な資金計画が可能 |
条件の整理 | 漠然とした希望条件を整理し明確にする
→優先順位がわかるため、後悔のない住宅購入が叶う |
情報収集 | 希望条件にあった適切な選択肢を紹介
→効率的に、最適な建売住宅を見つけやすい |
総合的なアドバイス | 購入プロセス全体を通じたアドバイスを提供
→失敗するリスクが少なく、初心者でも安心 |
購入後のサポート | 一部の相談窓口では購入後のアフターフォローも提供
→入居後に発生する問題にも対応しやすく安心 |
住宅相談窓口に相談すれば、住宅会社などの選び方や資金計画など、住宅購入のあらゆる疑問や悩みを解決できます。効率的に最新の情報を収集でき、複数の選択肢も比較しやすいです。
満足のいく住宅購入を叶えるためにも、住宅相談窓口を利用して、住宅購入のプロセスごとに具体的なアドバイスを受けるのが得策です。
住宅相談窓口を利用するメリット・デメリットは、「住宅購入で迷ったら住宅相談窓口のアドバイザーに相談しよう!」の記事で詳しく解説しています。人気の住宅相談窓口6社の特徴も徹底比較しているので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
今回の記事では、初めてでも安心して建売住宅を購入できるよう、購入プロセスを丁寧に解説しました。建売住宅を購入するためのステップは下記のとおりです。
購入前~売買契約 | 購入後~引渡し・入居 |
・購入前の準備
・情報収集と物件探し ・見学 ・購入の申し込み ・売買契約 |
・住宅ローンの本審査・融資実行
・立ち合い検査 ・残金の清算・引渡し・入居 |
初めての住宅購入でも安心して購入を進めるためには、計画的に情報収集し、適切なサポートを受けることが大切です。自分で手探りで購入を進めるよりも、無料で利用できる住宅相談窓口を活用して、リスクを回避しながらスムーズに理想のマイホームを手に入れましょう。
おうちの買い方相談室では、住宅会社や金融機関ではない中立な立場で、住宅購入のあらゆるモヤモヤを解消します。住宅の知識やお金の知識に精通した「マイホーム購入の専門家」があなたの家づくりを二人三脚でサポートするので、不安や疑問をクリアにできますよ。
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