【重要】住宅購入での売買契約での注意点を解説!
「住宅を購入するとき、不利な条件に気づかず契約してしまいそうで心配・・・」
「支払い条件や引渡しスケジュールの誤解で、失敗しそうで怖い・・・」
「住宅を購入するときの契約書で確認すべきことは何?」
人生で最も大きな買い物となる住宅購入において、契約での取り返しのつかないミスはなんとしても避けたいところですよね。
そこで、この記事では
住宅購入の契約でよくあるトラブルとその対処法
売買契約締結までの流れ
契約時に必要なもの・チェック項目
などを解説します。
この記事を読めば、契約内容をしっかりと把握し、自信を持ってサインできるようになります。記事を読んで、起こりがちなトラブルを未然に防いでくださいね。
住宅購入の契約に対する不安を解消して、安心して家探しを始めましょう。
住宅購入の契約でよくあるトラブルと対処法
住宅購入の契約時によくあるのが、下記のようなトラブルです。
- 契約内容の誤解
- 契約内容との相違や瑕疵(欠陥・不備)による契約不適合
- 引き渡し日の遅延
- 契約解除
契約時のトラブルは、誰もが陥る可能性があります。後悔しないよう、細心の注意をはらって契約にのぞみましょう。
契約内容の誤解
住宅購入の契約では、契約内容を誤解してトラブルにつながるケースがあります。
契約書に使用される用語は、法律や建築・不動産などの専門用語が多く、理解しにくいものです。例えば、「現状渡し」という表現は、修繕を行わない状態での引渡しを意味しますが、これを誤解してしまい、引き渡し後に追加の修繕費用が発生してしまう可能性があります。
トラブルを回避するためにも、購入前にわからない用語は必ず確認して説明を求めるようにしてください。また時間に追われて契約を急いでしまうと、契約書の内容を誤解や見落としのリスクが高くなるため、契約は落ち着いた状況でのぞむようにしましょう。
契約内容との相違や瑕疵(欠陥・不備)による契約不適合
住宅を購入した際によくあるのが、契約内容との相違や瑕疵(欠陥・不備)による「契約不適合」のトラブルです。
具体的には、下記のようなケースがあります。
・新築:使う材料や設備が予定と異なっていた、数に間違いがあったなど
・中古物件の購入:雨漏りがある、シロアリが発生していた、事故物件だったなど
民法では、契約内容の不一致や欠陥等をみつけた場合、買主側は売主に下記の内容を請求できるように定められています。契約不適合をみつけたら、1年以内に請求するようにしましょう。
履行の追完請求 | 不適合部分を完全な状態(交換・補修するよう)に請求する権利 |
代金減額請求 | 契約価格を減額するよう請求する権利 |
損害賠償請求 | 不適合によって生じた損害に対する賠償を請求する権利 |
契約の解除 | 契約不適合が重大な場合、契約を解除する権利 |
契約解除
住宅購入は大きな決断ですが、途中で契約を解除しなければならない状況も考えられます。しかし契約を解除すると、想定以上の費用を支払わなければならず、後悔する可能性があります。万が一のトラブルを防ぐためにも、契約解除についても、契約時点でしっかり確認しておきましょう。
契約の解除でとくにトラブルになりやすいのは、下記の項目です。
- 手付金の返還
- 契約解除のタイミング
- 契約解除の意思表示
- 住宅ローン特約
詳しく解説します。
手付金の返還
購入者が契約後に急遽購入を取りやめたい場合、手付金が返還されるかどうかは大きな問題です。
手付金は契約時に支払う一部の金額ですが、申し込み金と違って購入者の都合で契約を解除した場合には返還されないのが一般的です。そのため契約を解除したがために、高額な金額を失ってしまうケースは珍しくありません。
契約解除で後悔しないためにも、手付金について正しく理解しておきましょう。
契約解除のタイミング
購入者が物件を買わないと決めた場合、タイミング次第で大きな経済的負担を負うケースがあります。
例えば建築中の物件を契約していたにもかかわらず、工事がある程度進んだ段階で契約を解除した場合は、多額の工事費用や損害賠償が請求されます。
契約書に解除のタイミングやその際の条件が細かく記載していなくても、契約解除後に予想外の金額を請求されるリスクはあるので注意しましょう。
契約解除の意思表示
契約解除の意思表示が適切に行われていないと、トラブルのもととなりやすいです。例えば、口頭で契約解除の意思を伝えたものの、正式な書面での通知がなされていなかったために契約が有効なまま進んでしまうケースがあります。
この場合、購入者は契約解除をしたつもりでいたのに、後から支払い義務を追及される可能性は否定できません。契約解除の意思表示は必ず書面で行い、双方の合意を文書で残すようにしましょう。
住宅ローン特約
売買契約書には、ローン審査が通らない場合に売買契約を解除できる「住宅ローン特約」が記載されているのが一般的です。ですが住宅ローン特約がついているからといって、安心できるわけではありませんので、注意しましょう。
住宅ローン特約は、解除条件型と解除権保留型の2種類に分けられます。解除権保留型の場合は、売主に自分で契約を解除する旨を伝えなければなりません。「住宅ローンの審査に落ちたら自動的に契約が解除される」と思い込んだまま、何もせずに通告期間を過ぎてしまうと、契約解除が出来なくなってしまう可能性があるので注意しましょう。
それぞれの特徴やメリット・デメリットは、下記にまとめています。ぜひ参考にしてください。
解除条件型
住宅ローンの審査に落ちた時点で、自動的に契約が白紙になる。ローンが通ることを契約条件とし、審査が否認されると特約に基づいて契約が無効になる。
メリット | デメリット |
・契約解除の手続きが簡単で、トラブルになりにくい
・買主にとって安心感がある |
・契約継続の選択肢がない
・審査に落ちた時点で即座に契約が解除されるため、他の資金調達方法を検討する時間がない |
解除権留保型
住宅ローンの審査に落ちた場合、買主に一定期間だけ契約を解除する権利が発生する。買主が売主に対して解除の意思表示をすることで契約解除が成立する。
メリット | デメリット |
・状況に応じて契約を続けるか解除するかを選べる
・他の金融機関でのローン審査に挑戦する余地がある |
・解除手続きが必要
・通告期限を過ぎると、契約解除ができない |
売買契約時に必要なもの・チェック事項
不動産売買契約を結ぶために必要なものやチェックすべき内容をまとめました。売買契約書、重要事項説明書、金銭消費貸借契約書など、重要な書類は契約日よりも前に取り寄せておき、内容を十分に確認してから契約にのぞむようにしてください。
また、これらの書類は買主から求めない限り事前にもらえないケースも多いです。後悔しないためにも、自分から申し出るようにしましょう。
●売買契約時に必要なもの
- 本人確認書類
- 所得を証明する書類(源泉徴収票原本、課税証明書原本など)
- 住民票(世帯全員分)
- 印鑑証明書
- 実印
- 物件を確認する書類(売買契約書など)
- 手付金
- 仲介手数料
●売買契約でチェックすべき内容
- 売買代金と支払い方法
- 床面積や敷地面積
- 登記関連
- 電気・ガスなどのインフラ整備
- 引渡し日や今後の流れ
- キャンセル条件や違約金の額
- 契約不適合責任の履行に関する措置
- 引っ越し前の物件に損害があった場合の対応
- 中古物件の場合は付帯設備の取り扱い
住宅ローンの契約時に必要なもの・チェック事項
以下に、住宅ローンの本審査で必要なものやチェックすべき重要項目をまとめています。
準備やチェックにもれがないよう、おさえておきましょう。
●住宅ローンの本審査で必要なもの
- 本人確認書類
- 他の借り売れがあれば、契約書類や残高のわかる書類
- 所得を証明する書類(源泉徴収票原本、課税証明書原本など)
- 住民票(世帯全員分)
- 印鑑証明書
- 実印
- 物件を確認する書類(売買契約書など)
●住宅ローンの本審査でチェックすべき内容
- 住宅ローンの債務者、抵当権設定者の住所
- 借入金額及び返済期間
- 団体信用生命保険(団信)への加入
- 返済日(特に最初の返済日)
- 返済の方式や利率
- 返済方法(自動引き落としか口座振り込みか)
- 融資の実行日
住宅購入における申込と売買契約の違い
住宅購入において、「購入申込」と「売買契約」の違いを明確に理解することは、非常に重要です。なぜなら、購入者の責任や義務はそれぞれでまったく異なるからです。
ここでは、住宅購入の申込と売買契約の違いについて詳しく解説します。
住宅購入の申込とは?
購入申込は、購入者が「この物件を買いたい」という意思を正式に表明する最初のステップです。しかし、購入申込はあくまで意思表示であり、法的に拘束力のある契約ではありません。この段階では、購入者が物件を選び、売主に購入の意思を伝えるための行為に過ぎません。
売買契約とは?
売買契約は、物件の購入に関して正式に取り交わされる法的な合意です。この契約は、法的な拘束力が生じるため、契約解除を行うと違約金が発生するケースがほとんどです。
【土地・建売住宅・中古住宅・マンション】売買契約締結までの流れ
新築注文住宅のための土地、建売住宅や中古住宅、マンションなどを購入する際の売買契約締結までの流れは、下記の4ステップです。
ステップ1:予算の検討
ステップ2:物件探し・見学
ステップ3:購入の申し込み
ステップ4:売買契約・住宅ローンの契約
ステップごとにポイントを解説します。
なお、新築の注文住宅を建てる際の流れは、「新築の住宅購入のスケジュールを把握しよう!マイホームや住まいを建てる入居までの流れ解説!」で紹介しています。合わせてご確認ください。
ステップ1:予算の検討
まず最初に行うべきは、購入予算の設定です。「どのくらいの家が買えるのか?」という疑問を抱いたままでは資金計画に不安を感じてしまいますが、ざっくりとした予算の目安を立てることで、冷静に物件探しを進められるようになります。
なお、住宅購入のベストな時期やタイミングは「住宅購入はいつがベスト?家を買う時期やタイミングを解説」で解説しています。ぜひ参考にしてください。
ステップ2:物件探し・見学
物件情報はインターネットサイトなどを利用して、住みたいエリアや沿線から探します。気になる物件を見つけて内覧を行いますが、内覧は曜日や時間帯を変えて何度か訪れるのがオススメです。周辺環境や日当たり、交通量などは、一度見学しただけでは分からない点も多いので、じっくり調査して判断するようにしましょう。
ステップ3:購入の申し込み
気に入った物件が見つかったら、購入申し込みを行います。申し込み時には、数万円程度の申込金が必要となる場合も多いです。
その場合、
- 申込金は契約が成立すれば手付金に充当されるのか
- キャンセルした場合は返金されるのか
という点を確認しておきましょう。
同時に住宅ローンの事前審査も進める必要があります。審査が通れば、次は売買契約に進みます。
ステップ4:売買契約・住宅ローンの契約
住宅ローンの事前審査が通ったら、いよいよ売買契約の締結です。購入申し込みから売買契約までの期間は、1週間〜10日程度かかるのが一般的です。
契約前には、物件に関する詳細などの重要事項説明を受けることになります。トラブルを避けるためにも、疑問点や不安があれば必ずクリアにしておきましょう。
売買契約が終わったら、住宅ローンの本審査に進みます。本審査が通ればローン契約を結び、融資が実行されます。
クーリングオフについて
住宅購入において勘違いしている人が多いのが、クーリングオフの適用条件に対する認識です。
クーリングオフとは、契約しても8日以内であれば契約を解除できる制度ですが、住宅を購入した場合、期間内であれば無条件で解約できる制度になるわけではありません。
クーリングオフは、契約を急かされた時や冷静に判断できなかった状況を考慮して、消費者に契約を取り消す権利を与えるものです。そのため、下記のような「買主が冷静に購入する意思があったと推測できるケース」での契約は、クーリングオフの対象にはなりません。
クーリングオフの対象にならない事例
- 買主が指定して自宅・勤務先で契約した場合
- 不動産会社の事務所・モデルハウスなどで契約した場合
ホテルやカフェなど冷静な判断ができないような場所や不動産会社が一方的におしかけてきたような状況での契約についてはクーリングオフが適用されますが、そのようなケースはほとんどないでしょう。
そのため、売買契約をキャンセルした場合は違約金がかかるケースがほとんどです。「クーリングオフを適用できる」と安易に考えず、慎重に契約するようにしてください。
仲介手数料とは
建物や土地を購入した場合、仲介を行った不動産会社に「仲介手数料」と呼ばれる報酬を支払わなければなりません。仲介手数料の上限は法律で「物件価格の3%+ 6万円+消費」と決まっていますが、不動産会社との交渉次第で実際の手数料が変わる場合もあります。
仲介手数料は契約が成立しなければ発生しません。そのため、物件の紹介や案内だけでは手数料は発生せず、契約が正式に成立した段階で初めて支払う義務が生じることになります。
重要事項説明とは
重要事項説明は、買主が契約前に物件や契約に関するリスクや注意点を十分に理解して、取引での不利益を回避するのが目的です。
住宅購入などの不動産取引では、不動産業者は契約前に買主に対して重要事項説明を行わなければなりません。買主は、宅地建物取引士から説明を受けたあと、説明内容がすべて記載された書面(重要事項説明書)を受け取るようになっています。
住宅購入全般での注意点
住宅購入では、契約時に限らずすべてのステップにおいて注意が必要です。ここでは、契約時以外でもとくに気を付けておきたい注意点を紹介します。
- 無理のない資金計画を立てる
- 周辺環境を調査しておく
- やりとりは書面に残す
- 点検口を確認する
- 購入後のメンテナンス費用も考慮する
無理のない資金計画を立てる
資金計画は、住宅ローンの借入可能額で検討するのではなく、無理のない金額で計画することが重要です。
具体的には、下記の内容をふまえて考えていきます。
- 頭金と住宅ローンのバランスを考える
- 諸費用や税金も含めた総額を把握する
- 将来の収入変動も考慮に入れる
理想的な返済額の目安としては、年間返済額が年収の20〜25%以内です。金融機関のシミュレーションツールを活用すれば、現在の収入と照らし合わせた無理のない返済プランを作成できます。
「無理のない資金計画のたて方」については、「住宅購入で必要なお金をシミュレーションしよう!〜住宅ローン・現金一括~」で詳しく解説しています。記事では、住宅購入における費用相場や年収別の返済額なども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
周辺環境を調査しておく
物件の魅力にばかり目を向けてしまいがちですが、入居後に周辺環境の問題で頭を悩ます場合があります。とくに、騒音問題や隣人トラブルなどは契約前には気が付かず見落としやすいですが、のちのちトラブルをかかえてしまう人は多いです。
契約前までに、物件の周辺を時間帯を変えて何度も訪問したり、ネットやSNSで地域の評判を調べたりするなどして、引っ越し後に後悔がないようにしておきましょう。
やりとりは書面に残す
口頭のやりとりは、記憶が曖昧になるため誤解や認識の違いを生みやすくなります。例えば、住宅の仕様や修繕の依頼、支払条件などが口頭でのみ伝えられた場合、後になって「言った」「言わない」の争いになりかねません。
やりとりはすべて議事録に残してもらい、証拠としてあとで確認できるようにしましょう。
点検口を確認する
点検口は、家のメンテナンスやトラブル対応において重要な役割を果たしますが、普段は使用しないため見落としがちです。のちのちのトラブルを避け、快適な住まいを維持するためにも、点検口の配置や使い勝手を確認しておきましょう。
とくに下記の場所については、点検口があるかどうかは重要な問題です。ぜひチェックしておいてくださいね。
点検口が必須な場所
- キッチンやバスルーム周り
- 床下や天井裏を確認できる場所
- 配電盤や電気設備の近く
購入後のメンテナンス費用も考慮する
住宅を購入する際は、住宅の物件価格やローンの返済額に目がいきがちですが、資金計画は入居後のメンテナンス費用も想定したうえで立てなければなりません。
住宅は、時間が経つにつれて経年劣化するため、修繕やリフォームが必ず必要になります。とくに、屋根の修繕や外壁の塗り替えなどは、一般的に10年〜15年に一度はメンテナンスが必要で、費用も100万円以上と高額になりがちです。
住宅を購入した後に余裕を持って生活を楽しむためにも、ローン返済額に加えて、メンテナンス費も必ず考慮するようにしましょう。
まとめ
今回の記事では、住宅購入の契約でよくあるトラブルや対処法、注意点やチェック事項などを解説しました。
住宅の購入は大きな買い物なので、不安があるとなかなか一歩を踏み出せません。ですが、住宅ローン金利は当面上昇していく傾向がありますし、人件費の高騰で費用相場も高くなることが想定できるので、悩み続けるのは得策ではありません。
納得できる答えや解決方法を知って住宅探しを始めるためにも、1人で悩まずプロに相談してみるのがオススメです。
お家の買い方相談室では、住宅会社や金融機関ではない中立な立場で、住宅購入のあらゆるモヤモヤを解消します。住宅購入に関する注意点も細かくアドバイスできますし、資金契約や住宅会社を探すお手伝いも可能です。もちろんサービスは無料ですので、ぜひお気軽にご相談くださいね。