注文住宅のつなぎ融資は不要にできる?費用を抑える4つの方法を解説!

注文住宅のつなぎ融資は不要にできる?費用を抑える4つの方法を解説!

注文住宅の計画を進める中で、「つなぎ融資」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。これは、住宅が完成するまでの間に必要となる土地代や着工金などを支払うための一時的なローンのことです。

しかし、このつなぎ融資は金利が高かったり、手続きが複雑だったりと、できれば避けたいと感じる方も少なくありません。実は、いくつかの方法を検討することで、つなぎ融資を利用せずに注文住宅を建てることは可能です。この記事では、つなぎ融資の基本的な仕組みから、不要にするための具体的な方法、それぞれのメリット・デメリットまで、分かりやすく解説していきます。

注文住宅で「つなぎ融資」が必要になるのはなぜ?

注文住宅を建てる際、なぜ多くの人が「つなぎ融資」を必要とするのでしょうか。その理由は、注文住宅特有の支払いスケジュールと、一般的な住宅ローンの仕組みとの間に生じる「ズレ」にあります。

注文住宅の支払いタイミングと住宅ローンのズレ

注文住宅の代金は、完成時に一括で支払うわけではありません。一般的には、以下の3つのタイミングで分割して支払う必要があります。

 

1.土地の購入時:土地代金の決済

2.着工時:工事の着手金

3.上棟時:建物の骨組みが完成した際の中間金

 

一方で、私たちが利用する住宅ローンは、完成した「建物」を担保にお金を借りる仕組みです。そのため、融資が実行されるのは、建物が完成し、引き渡されるタイミングが基本となります。この結果、住宅ローンが実行されるまでの間、土地代や着工金などを支払うためのお金が不足するという状況が生まれてしまうのです。

つなぎ融資の基本的な仕組みと役割

この資金の「空白期間」を埋める役割を果たすのが「つなぎ融資」です。つなぎ融資は、住宅ローンが実行されるまでの間、必要な資金を一時的に借り入れるためのローンです。

 

住宅の完成後、実行された住宅ローンでつなぎ融資を一括返済するという流れが一般的です。これにより、自己資金が少なくても、スムーズに土地の購入や工事を進めることが可能になります。

支払いタイミング 支払い内容 つなぎ融資の役割
土地契約時 土地代金の支払い 土地代金を立て替える
工事請負契約時 着工金の支払い 着工金を立て替える
上棟時 中間金の支払い 中間金を立て替える
建物完成・引渡時 住宅ローン実行 実行された住宅ローンで、

つなぎ融資の元金を一括返済

知っておきたい!つなぎ融資の3つのデメリット

つなぎ融資は便利な仕組みですが、利用する前に知っておきたいデメリットも存在します。主なデメリットを3つご紹介します。

金利が住宅ローンより高めに設定されている

つなぎ融資は、建物が完成していない「無担保」の状態で借り入れるローンです。金融機関にとってリスクが高いため、一般的な住宅ローン(変動金利で年0.3%〜0.5%程度)と比較して、金利が年2%〜4%程度と高く設定されていることがほとんどです。借入期間は数ヶ月から1年程度と短いですが、借入額が大きいため、金利負担は決して小さくありません。

住宅ローンとは別に手数料や諸費用が発生する

つなぎ融資を利用する場合、住宅ローンの手数料とは別に、融資手数料や印紙税などの諸費用がかかります。融資を受けるたびに手数料が発生するケースもあり、総額で数十万円の追加コストになることもあります。これらの費用は、最終的な住宅ローンの借入額には含まれないため、自己資金で用意する必要があります。

団体信用生命保険(団信)の保障対象外になる

団体信用生命保険(団信)は、住宅ローンの契約者に万一のことがあった場合に、ローンの残債が保険金で支払われる仕組みです。しかし、つなぎ融資は住宅ローンとは別の契約のため、原則として団信の保障対象外となります。つまり、つなぎ融資の返済期間中に万が一の事態が起きても、借入金はそのまま残ってしまうというリスクがあります。

注文住宅でつなぎ融資を不要にする4つの方法

金利や手数料の負担を考えると、できればつなぎ融資は利用したくないものです。ここでは、つなぎ融資を不要にするための具体的な4つの方法をご紹介します。

方法1:自己資金(現金)で支払う

最もシンプルな方法は、土地代や着工金などをすべて自己資金(現金)で支払うことです。借入をしないため、金利や手数料はもちろんかかりません。ただし、注文住宅にかかる費用は高額であり、すべてを現金で用意できるケースは限られます。また、万一の事態に備えるためにも、ある程度の現金は手元に残しておくことが賢明です。

方法2:「分割融資」が可能な住宅ローンを利用する

金融機関によっては、住宅ローンの融資を複数回に分けて実行してくれる「分割融資」というサービスがあります。これは、土地の購入時、着工時、上棟時など、支払いが必要なタイミングで、住宅ローンの一部を前倒しで融資してくれる仕組みです。住宅ローン契約の一部であるため、つなぎ融資よりも低い金利が適用されるのが大きなメリットです。

方法3:住宅ローンを土地購入時に「先行融資」する

「土地先行融資」も分割融資の一種で、まず土地の購入資金を住宅ローンとして借り入れ、建物が完成した後に残りの建築費用を借り入れる方法です。土地を先に担保に入れることで、住宅ローンと同じ低い金利で融資を受けることができます。ただし、取り扱っている金融機関が限られる点や、土地の抵当権設定に費用がかかる点に注意が必要です。

方法4:ハウスメーカー・工務店の支払い制度を活用する

ハウスメーカーや工務店の中には、独自の支払い制度を設けている場合があります。

 

例えば、着工金や中間金を不要とし、建物完成時に一括で支払うといった制度です。この場合、つなぎ融資を組む必要がなくなります。また、会社が提携する金融機関のつなぎ融資を利用することで、金利や手数料が優遇されるケースもあります。建築を依頼する会社に、どのような支払い方法があるか確認してみましょう。

方法 メリット デメリット
自己資金 金利・手数料が不要で最もシンプル 多額の現金が必要
分割融資 住宅ローン金利が適用され、金利負担が少ない 対応金融機関が限られる
土地先行融資 土地購入時から低金利で借りられる 登記費用が2回かかる場合がある
会社の制度活用 支払いのタイミングを調整できる可能性がある 会社によって制度の有無や内容が異なる

【方法別】つなぎ融資が不要な場合のメリット

つなぎ融資を利用しないことで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。改めて整理してみましょう。

金利や手数料などの諸費用を大幅に節約できる

最大のメリットは、やはり経済的な負担を軽減できる点です。つなぎ融資の高い金利や、融資のたびにかかる手数料を支払う必要がなくなります。分割融資などを利用する場合でも、つなぎ融資に比べれば金利は格段に低いため、総支払額を大きく抑えることが可能です。

支払いや手続きの管理がシンプルになる

つなぎ融資を利用すると、住宅ローンとは別に契約や手続きが必要となり、管理が煩雑になります。一方で、分割融資であれば住宅ローン契約が1本で済むため、手続きがシンプルになります。資金の流れが分かりやすくなり、精神的な負担も軽くなるでしょう。

土地の融資も団信の保障対象にできる

分割融資や土地先行融資を利用する場合、初回の融資実行時点から団体信用生命保険(団信)に加入できます。これにより、土地購入後や建築中に万が一のことがあっても、ローンの残債が保障されるため、家族に大きな安心をもたらします。つなぎ融資の「無保険状態」というリスクを回避できるのは、大きなメリットです。

【方法別】つなぎ融資が不要な場合のデメリットと注意点

つなぎ融資を不要にする方法はメリットが大きい一方で、いくつかの注意点も存在します。それぞれの方法におけるデメリットを理解し、対策を考えておくことが重要です。

自己資金で支払う場合の注意点

自己資金で支払う場合、手元の現金が大幅に減少します。予期せぬ病気や怪我、失業などに備えるための生活防衛資金は、必ず確保しておくようにしましょう。また、すべての資金を住宅に充ててしまうと、他の投資や教育資金などに資金を回す機会を失う可能性もあります。

分割融資や先行融資を利用する場合の注意点

分割融資や先行融資は、すべての金融機関が取り扱っているわけではありません。利用できる金融機関が限られるため、選択肢が狭まる可能性があります。また、融資の実行が複数回にわたるため、その都度手数料が発生する場合もあります。さらに、土地と建物の2回に分けて抵当権設定登記が必要となり、登記費用(登録免許税や司法書士報酬)が割高になるケースがあることも知っておきましょう。

ハウスメーカー等の制度を利用する場合の注意点

支払いタイミングを調整してくれるハウスメーカーや工務店は、まだ多いとは言えません。建築会社選びの選択肢が狭まる可能性があります。また、「完成時一括払い」などの制度を利用する場合でも、その条件や手数料の有無などを契約前によく確認することが大切です。

注意すべきこと 自己資金の場合 分割・先行融資の場合 会社の制度活用の場合
資金面 手元の現金が減りすぎるリスク 手数料や登記費用が割高になる可能性 制度利用の条件や追加費用
選択肢 特になし 対応金融機関が限られる 対応する建築会社が限られる
手続き 特になし 抵当権設定登記が2回必要になる場合がある 契約内容を十分に確認する必要がある

自分に合った方法を見つけるための比較ポイント

つなぎ融資を利用するか、それとも別の方法を選ぶか。最終的な判断は、ご自身の状況に合わせて行う必要があります。後悔しない選択をするために、以下の3つのポイントを確認しましょう。

自己資金の状況を正確に把握する

まずは、現在の貯蓄額のうち、住宅購入に充てられる自己資金がいくらあるのかを正確に把握しましょう。土地代や諸費用の一部でも現金で支払うことができれば、その分つなぎ融資の借入額を減らすことができます。生活防衛資金を差し引いた上で、無理のない範囲で計画を立てることが重要です。

利用できる住宅ローンの種類を確認する

お住まいの地域や取引のある金融機関が、分割融資や土地先行融資に対応しているかを確認しましょう。金利や手数料、融資の条件は金融機関によって大きく異なります。複数の金融機関を比較検討し、ご自身の計画に最も適した住宅ローンを見つけることが、コストを抑える鍵となります。

建築を依頼する会社に相談する

ハウスメーカーや工務店は、資金計画に関する豊富な知識と経験を持っています。提携している金融機関や、利用できる支払い制度について、早い段階で相談してみましょう。建築のプロからのアドバイスは、最適な資金計画を立てる上で非常に役立ちます。自分たちの希望を伝え、二人三脚で計画を進めてくれるパートナーを見つけることが理想です。

まとめ:つなぎ融資を賢く回避して理想の家づくりを

注文住宅の建築において、つなぎ融資は避けて通れないものだと思われがちですが、実際にはいくつかの回避策が存在します。自己資金の活用、分割融資や土地先行融資が可能な住宅ローンの選択、そして建築会社の支払い制度の利用など、方法は一つではありません。それぞれのメリット・デメリットを正しく理解し、ご自身の資金状況やライフプランと照らし合わせながら、最適な方法を選択することが大切です。この記事で得た知識を活用し、無駄なコストを抑え、安心して理想の家づくりを実現してください。

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