注文住宅のキッチンで後悔しない!選び方や種類、価格について徹底解説

「キッチンにはこだわりたいけど、どれを選べばいいか分からない…」
「使いやすくておしゃれなキッチンにしたい」
「注文住宅を建てたあとに後悔したくない!」
あなたはこのような悩みをお持ちではありませんか?
キッチンは、毎日の料理や家事を行う大切な空間です。注文住宅では自由に間取りを決められる分、「どのタイプが自分たちに合うのか」「費用はどれくらいかかるのか」と迷ってしまう方も多くいらっしゃいます。
実際にキッチンを選ぶ際には、デザインだけでなく家事動線や収納、掃除のしやすさなど、さまざまな視点からの検討が必要です。将来の家族構成やライフスタイルの変化にも対応できる設計でなければ、住んでから不便に感じてしまう場合もあります。
この記事では、これから注文住宅を建てる方に向けて、後悔しないキッチン選びのポイントや種類ごとの特徴、価格の相場などをわかりやすく解説します。
注文住宅でキッチンにこだわるべき理由
注文住宅は、間取りや設備を自由に設計できるのが魅力ですが、なかでも「キッチン」は特にこだわりたい場所の一つです。家族が毎日使う場所だからこそ、快適さと実用性のバランスがとれたキッチンを目指すことが、後悔しない家づくりへの第一歩になります。
キッチンは「毎日の家事効率」に直結する場所
キッチンは、毎日使う場所であり、使い勝手の良さが家事全体の効率を左右します。たとえば、冷蔵庫とシンク、コンロの位置関係が悪ければ、毎回の調理で何度も行き来するため、無駄な動きが増えてしまいます。
一般的に「ワークトライアングル」と呼ばれる、シンクやコンロ、冷蔵庫の動線を正三角形に近づける配置が理想とされています。動線がスムーズであれば、時短やストレスの軽減に繋がり、家事の負担も大きく減らせるでしょう。
また、使いやすい収納や片付けのしやすさも、キッチンの満足度を大きく左右します。物があふれて調理スペースが狭くなると、せっかくの注文住宅でも使いにくいキッチンになってしまうでしょう。
生活動線や家族構成に合わせた設計が必要
注文住宅では、家族のライフスタイルに合わせたオリジナルのキッチン設計が可能です。具体的には、以下のような配慮が考えられます。
- 小さな子どもがいる家庭では、見守りながら料理ができるオープンキッチン
- 家族みんなで料理を楽しみたい場合は広めの作業スペースを設ける
- 高齢のご両親と同居される場合は、安全性を考慮したIHコンロやバリアフリー設計
間取りや動線をしっかり考えないまま設計してしまうと、「思っていたより使いにくい」「通路が狭くて動きにくい」といった後悔に繋がります。日々の暮らしを快適にするためにも、キッチンはデザイン性だけでなく、機能性や将来の生活変化も見据えたうえでの設計が重要です。
注文住宅のキッチンで使われるレイアウト
注文住宅でキッチンを設計する際に大切なのがレイアウトの選び方です。キッチンは毎日使う場所だからこそ、どのように空間を配置するかによって家事のしやすさや家族との距離感が大きく変わってきます。
ここでは、注文住宅でよく採用される「オープンキッチン」と「クローズドキッチン」について、それぞれの特徴を詳しく解説します。
オープンキッチン
オープンキッチンは、リビングやダイニングと空間を共有した開放的なレイアウトです。壁で仕切られていないため、視線が通りやすく、部屋全体を広く見せられます。調理中でもリビングにいる家族や子どもの様子を見守ることができ、自然とコミュニケーションが生まれやすいです。
また、明るくおしゃれな印象を演出しやすく、デザイン性の高いキッチンに憧れる方にもぴったりでしょう。
一方で、空間が繋がっている分、調理中のにおいや煙、食器の音がリビングに広がりやすいというデメリットもあります。キッチンが常に見える状態になっているため、収納や片付けを工夫しないと生活感が出やすくなります。
クローズドキッチン
クローズドキッチンは、壁や扉で仕切られた独立型のレイアウトです。調理に集中しやすく、においや音がリビングに漏れにくいため、来客時でもキッチンの様子が気になりにくいという安心感があります。壁面をフル活用した収納の実現ができ、日々の家事もストレスなく行えるようになるでしょう。
料理が趣味の方など、調理を行う機会が多い方にとっては、集中できる空間として理想的なスタイルと言えます。
ただし、キッチンが空間的に分離されているため、家族との会話がしづらくなったり、孤立感を感じたりする方もいらっしゃいます。特に小さなお子さんがいる家庭では、調理中の見守りが難しくなるため、ライフスタイルとの相性を十分に検討する必要があります。
キッチンの種類と特徴
キッチンは毎日使う場所だからこそ、デザイン性だけでなく、動線や収納、作業効率といった機能面も非常に重要です。
キッチンの形状にはさまざまな種類があり、それぞれの特徴やメリット、デメリットは異なります。注文住宅のキッチンでよく使われる形状は、主に以下のとおりになります。
キッチンの種類 | メリット | デメリット |
アイランドキッチン |
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ペニンシュラキッチン |
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I型キッチン |
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L型キッチン |
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二列型キッチン |
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アイランドキッチン
アイランドキッチンは、キッチンが壁から完全に独立しているため、リビングやダイニングと自然に繋がる開放的な空間を作れます。調理スペースも広く取れるので、家族と並んで料理を楽しみたい方にはぴったりのスタイルです。見た目にもおしゃれでデザイン性が高く、インテリアとしての存在感を大切にしたい方にもおすすめです。
アイランドキッチンを採用するには、キッチンまわりに十分な通路幅を確保することが前提となるため、ある程度広いスペースが必要になります。また、壁に囲まれていない分、油はねやにおいがリビングに広がりやすく、高性能な換気設備を取り入れるなど、対策もしっかり考えておきましょう。
ペニンシュラキッチン
ペニンシュラキッチンは、アイランドキッチンのような開放感を持ちながら、左右片側が壁に接しているデザインが特徴です。アイランド型よりも設置スペースが少なくて済むため、限られた広さの住宅でも取り入れやすく、間取りの自由度も高いスタイルです。
一方で、リビングと繋がったレイアウトのため、調理中のにおいや煙が部屋全体に広がりやすいです。そのため、高性能な換気扇やレンジフードを設置して、におい対策をしっかり行うことが大切です。
また、開放感を重視して吊り戸棚をつけないケースも多いため、収納スペースが不足しやすいです。使いやすさを保つためには、引き出し式収納やパントリーなど、他の収納方法との組み合わせを工夫すると良いでしょう。
I型キッチン
I型キッチンは、コンロやシンクなどが横一列に並んだ、シンプルで使いやすいデザインです。スペースが限られている住宅でも取り入れやすく、コンパクトな間取りとの相性も良好です。また、壁面を活用して吊り戸棚や背面収納を設けると、収納力をしっかり確保できるのも魅力のひとつです。
ただし、キッチンの幅が広くなりすぎると、横への移動が増えてしまい、作業効率が下がってしまいます。作業スペースもコンパクトになりやすいため、家族で一緒に調理をする場合は、少し使いづらさを感じるかもしれません。ひとりで調理をすることが多い方や、限られた空間を有効に活用したい方にぴったりのスタイルと言えます。
L型キッチン
L型キッチンは、シンクとコンロをL字型に配置したスタイルで、動線が短く、調理や片付けがとてもスムーズに行えるのが特長です。作業スペースを広く確保しやすく、家族で一緒にキッチンに立つ機会が多いご家庭にも向いています。
また、収納スペースも多く確保できるので、調理器具や食品ストックを整理しやすいのも魅力です。シンク側とコンロ側を役割ごとに分けると作業効率もアップするでしょう。
ですが、L字の角にあたるコーナー部分は、デッドスペースになりやすい欠点もあります。回転式の棚や引き出し収納などを取り入れて、無駄なく使えるよう工夫すると、より快適なキッチン空間になるでしょう。
二列型キッチン
二列型キッチンはシンクとコンロが対面するように配置したスタイルで、「セパレートキッチン」とも呼ばれています。移動距離も短くなるため、重い鍋や食材を運ぶ際の負担も少なくなります。調理を効率よく進めたい方や、夫婦や親子で一緒に料理を楽しみたい方におすすめです。
左右それぞれの作業台をしっかり使えるので、調理スペースも広く確保でき、収納も分けて整理しやすくなります。ですが、中央の通路が狭いと動きにくくなってしまうため、ある程度の幅を確保する必要があります。設計の段階で、キッチンまわりのスペースを確認しておくと安心です。
注文住宅のキッチン選びで後悔しないためのポイント
注文住宅では間取りや設備を自由に選べる分、「もっとよく考えておけばよかった…」という後悔の声も少なくありません。特にキッチンは、毎日使う場所だからこそ、小さな使いにくさが積み重なってストレスになってしまいます。
キッチン全体の収納力
キッチンは調理器具や食器、調味料、ストック品など、意外と物が多くなりやすいです。収納スペースが足りないと、せっかくのおしゃれなキッチンもごちゃついて見えてしまうでしょう。
注文住宅ならではの強みは、自分たちの暮らしに合った収納を計画できることです。パントリーを作ったり、引き出し収納を増やしたりと、使いやすく整理しやすい工夫を取り入れれば、すっきりと快適に使えるキッチンになります。
キッチンまわりの家事動線
キッチンは料理だけでなく買い物後の収納や食後の片付け、洗濯や掃除など、ほかの家事とも関わりが深い場所です。そのため、キッチン単体ではなく「家事全体の流れの中でどこにあるか」を意識した動線づくりがとても大切になります。
また、キッチンから洗面所や洗濯機までの動線が繋がっていると、料理の合間に洗濯を回すなど、複数の家事を並行して進めやすくなるでしょう。特に忙しい共働き世帯や子育て中のご家庭では、こうした「家事動線の効率化」が暮らしやすさに直結します。
間取りを設計する際のポイントや注意点についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせて読んでみてください。
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ゴミ箱を置く場所
キッチンを使っていて意外と悩ましいのが、ゴミ箱の置き場所です。毎日出る生ごみやプラスチック、資源ごみなど種類ごとに分別する必要があるため、1つだけでなく複数のゴミ箱を置く場合もあります。
ところが、設計段階でスペースを確保していないと、ゴミ箱が通路の邪魔になってしまったり、出し入れしにくくなったりと使いにくさを感じてしまうでしょう。
自由に設計できる注文住宅だからこそ、ゴミ箱の配置もあらかじめ計画しておくようにしましょう。たとえば、キッチン下の引き出しにビルトインする、パントリーの一角にスペースを設ける、といった工夫をしておくと、見た目がすっきりするだけでなく、毎日の家事もスムーズになります。
コンセントの位置や数
キッチンは家電が多く集まる場所なので、コンセントの位置や数はとても重要です。炊飯器や電子レンジ、トースターなど、使う家電は意外と多く、同時に使いたい場面もよくあります。
「コンセントが足りない」「場所が悪くてコードが届かない…」といった失敗は、使い始めてから気づくことが多く、日常のちょっとしたストレスになってしまいます。
そのため、設計の段階で「どこで、どんな家電を使うか」を具体的にイメージしながら、必要な数と位置を考えておくと良いでしょう。カウンター上だけでなく、ゴミ箱まわりや調理家電の置き場などにもコンセントを用意しておくと、あとから「つけておけばよかった…」と後悔を防ぐことに繋がります。
キッチンまわりの掃除のしやすさ
キッチンは毎日使う場所だからこそ、掃除のしやすさも大切です。調理中の油はねや水はね、食材のこぼれなど、気づかないうちに汚れがたまりやすい場所でもあります。
使われる素材や設備の選び方によって、お手入れのしやすさは大きく変わります。たとえば、キッチンパネルにはステンレスやアルミ素材を選ぶと、サッと拭くだけでお手入れができます。
また、シンクと排水溝を一体化させて継ぎ目が少ない設計にすると、汚れがたまりにくく、毎日の掃除も楽になるでしょう。さらに、IHコンロを導入すると、表面がフラットになるため、ガスコンロのような掃除の手間に悩まされることも少なくなります。
キッチンの価格相場と予算配分の方法
注文住宅で理想のキッチンを叶えようとすると、「どこまでこだわるべきか」「予算内で何を優先すべきか」と悩む方が多くいらっしゃいます。
キッチンの費用は、形状やオプションなどの組み合わせによって大きく変わるため、事前に全体像を把握しておくことが大切です。ここでは、キッチンの価格相場と、予算配分の方法について解説していきます。
キッチンごとの価格相場
キッチンの価格は、形状や広さによって大きく変わります。見た目や使いやすさを重要視してグレードを上げてしまうと、その分キッチンにかかる費用も高くなる傾向があります。
代表的なキッチンごとの価格相場は、主に以下のとおりになります。
(建築会社によって金額は変わるので、あくまで参考にしてください)
キッチンの種類 | 価格相場 |
アイランドキッチン | 約100万~300万円 |
ペニンシュラキッチン | 約60万~160万円 |
I型キッチン | 約50万~150万円 |
L型キッチン | 約50万~180万円 |
二列型キッチン | 約50万~150万円 |
I型キッチンはシンプルでコンパクトなつくりのため、比較的費用を抑えやすく、コスト重視の方におすすめです。アイランドキッチンやペニンシュラキッチンは開放感やデザイン性が高く、見た目にこだわりたい方や家族とのコミュニケーションを重視するご家庭に向いています。
キッチンの価格は形状だけでなく、天板やキッチン扉などに使われる素材によっても大きく変わります。こだわりの仕様を選ぶと、相場より高くなるケースも少なくありません。価格だけにとらわれず、ご自身のライフスタイルや家族構成、日々の使い方に合わせて「自分たちにとって本当に使いやすいキッチン」を考えることが、後悔しない選び方のポイントです。
標準仕様とオプションの違い
キッチンの費用を抑えるには、オプションの追加を最小限にした標準仕様を選ぶ方法もあります。標準仕様とは、工務店やハウスメーカーがセットとして用意している機能や設備のことです。
たとえば、シンクやコンロ、収納キャビネットなどが一通りそろっているシンプルな構成になります。標準仕様は依頼する会社ごとに異なるため、ご自身の希望に合う商品があるのか確認も重要です。
一方で、オプションを利用すると、好みに合わせて使用や設備を追加することができます。食洗器のグレードアップをしたり、IHコンロを導入したりすることで、見た目だけでなく、日々の使い勝手も良くなるでしょう。また、キッチン本体を別のものに変更できるのも、オプションのメリットでもあります。
ただし、オプションを決める際は、あらかじめ予算の上限を決めておくようにしましょう。全てを導入することは難しいため、予算を決めておくと、必要なオプションかどうか判断することにも繋がります。
キッチン選びで後悔しないための予算配分
キッチン選びで失敗しないためには、「何にどれだけ費用をかけるか」の優先順位を明確にしておくことが大切です。すべてにこだわりすぎてしまうと、気づかないうちに予算を大きくオーバーしてしまうでしょう。
「料理のしやすさ」を重視するなら収納力や調理スペースに、「掃除のしやすさ」を考えるならキッチンパネルの素材やシンクの設計など、目的に合わせた予算の配分をしましょう。
また、食洗器やレンジフードなど便利なオプションも多いですが、実際に使用するかどうかを考慮した上で選ぶことが重要です。キッチンは毎日使う場所だからこそ、使い勝手やメンテナンス性などを考え、予算内で最適な選択をすることで後悔しない家づくりに繋がります。
注文住宅のキッチンでよくある失敗例と対策
ここからは、注文住宅でよくあるキッチンの3つの失敗例から、それぞれの原因と失敗を防ぐための工夫についてわかりやすくご紹介します。これから注文住宅のキッチンづくりを始める方にとって、後悔をしないためのヒントになれば幸いです。
家事動線を考慮していなかった
注文住宅のキッチン設計でよくある後悔のひとつが、「家事動線をしっかり考えていなかった」という点です。
たとえば、冷蔵庫からシンク、コンロまでの距離が遠くて何度も行き来することになったり、食器棚の前の通路が狭くて片付けにくかったりと、わずかな配置の違いが日常の使い勝手に大きな影響を与えます。
さらに、ダイニングや洗面室など、他の家事空間との動線も重要です。買い物から帰ってきた後、スムーズに収納できるかどうかや、料理をしながら洗濯や掃除といった家事を並行しやすいかなど、毎日の暮らしの流れを思い描きながらレイアウトを考えると、使いやすく快適なキッチンづくりを目指せます。
収納スペースが足りなかった
キッチンで後悔しやすいのが、「思ったより収納が足りなかった」というケースです。料理に使う道具や食器、調味料、調理家電、さらには買い置きの食材やラップなどの消耗品まで、キッチンには収納したい物が意外と多くなりやすいです。
特に共働きの家庭や子育て世帯では、まとめ買いする機会も多いため、収納スペースを広く確保しておくと安心です。設計の段階で「何をどこにしまうか」を具体的にイメージして、吊り戸棚やパントリーの広さなど、細かな部分まで計画しておきましょう。
オプションで予算をオーバーしてしまった
注文住宅のキッチンは自由度が高い分、オプションを追加しすぎて予算がオーバーしてしまうケースもよくあります。食洗機やスライド収納など、便利そうな設備が豊富にそろっているため、「せっかくだから」と追加してしまいやすいです。
しかし、すべてを採用すると費用が大きくふくらみ、他の部分で妥協しなければならなくなります。そうならないためには、以下の三点を意識するようにしましょう。
- 絶対に必要なもの
- あると便利なもの
- 後からでも対応できるもの
優先順位を明確にしておくことと、予算とバランスを見ながら、本当に必要なものを見極められるため、後悔のないキッチンづくりに繋がります。
まとめ
本記事では、注文住宅のキッチンにこだわるべき理由やキッチンに使われるレイアウト、種類、キッチン選びで後悔しないためのポイントについて解説しました。
注文住宅は自由に設計できるため、家族構成やライフスタイルを考慮したキッチンを目指すことができます。ですが、自由度が高い反面、収納力や家事動線、コンセントの位置や数などを考慮しないといけません。
キッチンづくりで失敗しないためには、実際の生活をイメージして、本当に必要なものと必要でないものを見極める必要があります。また、設備の追加で予算オーバーにならないよう、優先順位も決めておきましょう。
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