注文住宅の期間はどれくらい?計画から完成までの全流れと目安を専門家が解説します!

注文住宅の期間はどれくらい?計画から完成までの全流れと目安を専門家が解説します!

「夢のマイホームを注文住宅で建てたい!」そう考えたとき、デザインや間取り、予算と並んで多くの方が気になるのが、「一体、完成までにどれくらいの期間がかかるのだろう?」という点ではないでしょうか。

この記事を読み終えるころには、注文住宅の「期間」に関するあなたの疑問や不安が解消され、自信を持って計画的な家づくりへと踏み出せるようになっているはずです。

注文住宅が完成するまでの平均期間と全体の流れ

注文住宅の建築には、一般的に計画の相談を開始してから、実際に鍵を受け取りお引き渡しとなるまで、おおよそ8ヶ月〜1年半程度の期間がかかると言われています。まずは、注文住宅が完成するまでの大まかな流れと、それぞれのステップでどれくらいの期間が必要になるのか、以下の表で全体像を掴んでおきましょう。

 

特に、土地の有無は全体の期間に大きく影響するポイントです。

工程 主な内容 平均的な期間の目安
1. 検討開始・情報収集・資金計画 理想の家のイメージ固め、予算策定、住宅会社・土地の情報収集 1~3ヶ月
2. 住宅会社選定と土地探し 建築を依頼する会社を選び、土地がない場合は土地を探す 2~6ヶ月以上
3. 設計プラン作成・各種契約 間取り・仕様決定、見積もり取得、工事請負契約、住宅ローン契約 2~4ヶ月
4. 建築確認申請・着工準備 行政への建築確認申請、地盤調査、詳細設計の最終確認 1~2ヶ月
5. 建築工事(着工~上棟~完成) 基礎工事、建方工事(上棟)、屋根・外壁・内装・設備工事 4~6ヶ月
6. 竣工検査・引き渡し・入居 建物の最終チェック、手直し、登記手続き、鍵の受け取り、引っ越し 2週間~1ヶ月

この表はあくまで一般的なケースです。それぞれの工程について、もう少し詳しく見ていきましょう。

Step①検討開始・情報収集・資金計画の期間

家づくりの第一歩は、「どんな家に住みたいか」「どんな暮らしを実現したいか」という家族の夢や希望を具体的にすることから始まります。まずは家族みんなでじっくりと話し合い、理想のライフスタイルや間取り、デザインのイメージを共有しましょう。

 

同時に、資金計画も進めていきます。自己資金はいくら用意できるのか、住宅ローンはどれくらい借り入れられそうか、毎月の返済額はどの程度が無理のない範囲かなどを把握し、おおまかな総予算を設定します。この段階でファイナンシャルプランナーに相談するのも一つの方法です。

Step② 住宅会社選定と土地探しの期間

理想の家を形にしてくれるパートナーとなる住宅会社(ハウスメーカーや工務店)を選ぶステップです。情報収集で気になった複数の会社から資料を取り寄せたり、実際に担当者と話をして提案を受けたりしながら、実績、技術力、デザインセンス、担当者との相性、そして見積もりなどを総合的に比較検討し、依頼先を絞り込んでいきます。


土地をお持ちでない場合は、この住宅会社選びと並行して、あるいは住宅会社にサポートしてもらいながら土地探しを進めることになります。希望するエリア、広さ、日当たり、周辺環境、そしてもちろん予算など、すべての条件を満たす土地がすぐに見つかるとは限りません。

Step③ 設計プラン作成・各種契約の期間

依頼する住宅会社が決まり、建築する土地(または候補地)も定まったら、いよいよ具体的な設計プランの作成に入ります。プランが固まり、仕様や設備も決定したら、住宅会社から正式な見積もりが提示されます。内容に納得できれば、「工事請負契約」を締結します。

 

また、住宅ローンを利用する場合は、このタイミングで金融機関に本審査を申し込み、承認が得られれば住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)を結びます。これらの設計プランの作成から各種契約手続きまでには、おおよそ2ヶ月〜4ヶ月程度の期間を見込んでおくと良いでしょう。

Step④ 建築確認申請・着工準備の期間

工事請負契約が完了し、詳細な設計図書が確定すると、次に行うのが「建築確認申請」という法的な手続きです。これは、計画されている建物が建築基準法や関連する条例などに適合しているかどうかを、行政の建築主事または指定確認検査機関が審査するものです。この審査を通過し、「建築確認済証」が交付されなければ、工事を始めることはできません。

Step⑤ 建築工事(着工~上棟~完成)の期間

建築確認済証が交付されると、いよいよ実際の建築工事が始まります(着工)。地域や習慣によっては、工事の安全を祈願する「地鎮祭」を行うこともあります。

 

工事は、まず建物の基礎を造る「基礎工事」から始まり、柱や梁などの骨組みを組み上げる「上棟(棟上げ)」、屋根や外壁を取り付ける工事、そして内装仕上げや住宅設備の設置工事へと進んでいきます。工事期間中も、定期的に現場を訪れて進捗状況を確認したり、住宅会社とコミュニケーションを取ったりすることが大切です。

Step⑥竣工検査・引き渡し・入居の期間

長い期間をかけて進めてきた家づくりも、いよいよ最終段階です。建物が完成(竣工)すると、まずは住宅会社による社内検査が行われ、その後、施主自身が立ち会いのもと、契約図面通りに仕上がっているか、傷や汚れ、不具合がないかなどを細かくチェックする「竣工検査(施主検査)」が行われます。

 

この竣工検査から実際の引き渡し、そして引っ越しをして新生活をスタートさせるまでには、手直しの規模や手続きの進捗にもよりますが、通常2週間〜1ヶ月程度の期間を見込んでおくと良いでしょう。

注文住宅の期間が長引いてしまう主な要因とは?

注文住宅の建築期間は、計画通りに進むのが理想ですが、残念ながら様々な要因で予定よりも長引いてしまうこともあります。事前にどのような点が期間に影響を与えやすいのかを理解しておくことで、対策を講じたり、心構えができたりします。ここでは、注文住宅の期間が長引きやすい代表的な要因について具体的に見ていきましょう。

要因①希望条件に合う土地がなかなか見つからない

注文住宅を建てるうえで、土地探しから始める場合、これが最も期間を左右する大きな要因となることがあります。希望するエリア、駅からの距離、周辺環境、土地の広さや形状、日当たり、そしてもちろん価格など、すべての条件を満たす理想の土地に巡り合うのは簡単なことではありません。

 

特に、都市部や人気の高い住宅地では競争率も高く、数ヶ月から1年以上の日数を要することも珍しくありません。また、見つかった土地に法的な規制があったり、造成や地盤改良が必要だったりすると、さらに時間が必要になることもあります。

要因②設計プランや仕様の決定に時間がかかる

注文住宅の魅力は自由な設計ですが、その自由度の高さゆえに、間取りやデザイン、内外装の素材、住宅設備など、決めるべき項目が非常に多くあります。

 

施主のこだわりが強い場合や、家族間での意見がなかなかまとまらない場合、建築士や設計担当者との打ち合わせ回数が増え、設計プランの確定までに時間がかかってしまうことがあります。また、打ち合わせの途中で大幅なプラン変更や仕様変更が発生すると、それまでの検討が無駄になったり、再度の見積もりや図面作成が必要になったりして、さらに期間が延びる原因となります。

要因③ 建物の規模や構造、デザインの複雑さ

当然のことながら、建物の規模が大きくなればなるほど、つまり床面積が広かったり階数が多かったりするほど、設計にも工事にも時間がかかります。

 

また、建物の構造(例えば、木造よりも鉄筋コンクリート造の方が一般的に工期は長くなります)や、外観デザインが非常に凝っていたり、間取りが複雑だったり、特殊な建材や輸入材を使用したり、造作家具を多く取り入れたりする場合も、それぞれの工程で手間と時間がかかるため、全体の工期が長くなる傾向にあります。標準的な仕様から大きく外れるものを選ぶ場合は、納期なども含めて事前に確認が必要です。

注文住宅の期間をできるだけスムーズに進めるための秘訣

注文住宅の建築にはある程度の期間が必要ですが、いくつかのポイントを意識して計画的に進めることで、無駄な時間を省き、できるだけスムーズに、そして結果的に期間を短縮できる可能性があります。

 

ただし、最も大切なのは理想の家を建てることであり、品質を犠牲にして無理に期間を短縮することは絶対に避けるべきです。ここでは、賢く家づくりを進め、期間を効率化するための秘訣をいくつかご紹介します。

秘訣① 事前に家づくりの要望と優先順位を明確にする

設計の打ち合わせをスムーズに進め、意思決定の時間を短縮するためには、事前に家族間で家づくりの要望やイメージをしっかりと共有し、優先順位を決めておくことが非常に重要です。「絶対に譲れない条件は何か」「どの部分なら妥協できるか」を明確にしておきましょう。

 

例えば、「リビングは広く開放的な空間にしたい」「キッチンは対面式で家族とコミュニケーションを取りやすくしたい」「収納スペースは各部屋に十分に確保したい」「書斎や趣味の部屋が欲しい」など、具体的な要望をリストアップし、雑誌の切り抜きやインターネットで見つけた気に入ったデザインの写真などを集めてスクラップブックやデータでまとめておくと、建築士や設計担当者に自分たちのイメージを的確に伝えやすくなり、打ち合わせの回数を減らしたり、プラン決定までの時間を短縮したりすることに繋がります。

秘訣② 住宅会社選びと土地探しを効率的に並行して進める

信頼できる住宅会社(ハウスメーカーや工務店)をできるだけ早い段階からいくつかピックアップし、相談を開始することが、その後のスムーズな進行に繋がります。そして、土地探しから始める場合は、土地探しと並行して住宅会社への相談も進めておくと効率的です。

 

建築会社によっては、土地探しからサポートしてくれる場合もありますし、土地の特性(形状、法的規制、日照条件など)を考慮したプラン提案も期待できます。先に建築会社をある程度絞り込んでおけば、良い土地が見つかった際に、その土地に最適なプランを迅速に作成してもらい、スムーズに次のステップへ進むことができます。不動産会社と建築会社、両方と連携を取りながら進めるのが理想的と言えるでしょう。

注文住宅の期間に関するよくあるご質問

注文住宅の建築期間について、多くの方が疑問に思う点や不安に感じる点があるかと思います。ここでは、代表的な質問とその回答をQ&A形式でまとめました。これから家づくりを計画される際の参考にしてください。

Q. 注文住宅と建売住宅では、期間はどれくらい違いますか?

  1.   一般的に、注文住宅の期間は建売住宅と比べて長くなります。建売住宅は、すでに建物が完成しているか、あるいは建築中の物件を購入するため、契約から入居までの期間が比較的短く、おおよそ1ヶ月〜3ヶ月程度で入居できるケースが多いです。

 

一方、注文住宅は、土地探し(必要な場合)から始まり、お客様のご要望に合わせて一から設計し、建築していくため、前述のとおり相談開始から引き渡しまで8ヶ月〜1年半程度が目安となります。自由度が高い分、時間も手間もかかるのが注文住宅の大きな特徴と言えるでしょう。

Q. 土地探しから始めると、やはり期間はかなり長くなりますか?

  1.   はい、その傾向は非常に強いと言えます。希望するエリア、広さ、予算、日当たり、駅からの距離、周辺環境など、すべての条件を満たす理想の土地に巡り合うのは、簡単なことではありません。特に人気の高いエリアや、希少性の高い土地(例えば、角地や眺望の良い土地など)は競争率も高く、見つかるまでに数ヶ月〜1年以上かかることも決して珍しくありません。

 

そのため、土地探しから注文住宅づくりを始める場合は、全体のスケジュールに十分な余裕を持たせておくことが非常に重要です。信頼できる不動産会社や、土地探しにも強い建築業者に早めに相談し、効率的に進めることをおすすめします。

Q. 期間を短縮するために、何か特別な費用がかかることはありますか?

  1. 基本的には、無理な工期短縮は品質の低下を招くリスクがあるため、推奨されません。建築会社も安全かつ確実に工事を進めるための標準的な工期を設定しています。もし、施主側の都合で契約工期よりも大幅な短縮を強く要求した場合、例えば職人の人数を通常より多く投入したり、残業や休日作業を増やしたりする必要が生じ、その分の人件費などが追加費用として請求される可能性はゼロではありません。

 

しかし、それよりも、事前の計画をしっかりと立て、各工程での意思決定をスムーズに行う方が、結果的に無駄な遅延を防ぎ、健全な形で期間を管理することにつながります。

まとめ

注文住宅が完成するまでの期間は、土地の状況や建物の仕様、そして家づくりの進め方によって大きく変動しますが、一般的には8ヶ月〜1年半程度が一つの目安となります。具体的な計画を進める中で期間に関して不安な点や不明な点が出てきた場合は、遠慮なく建築の専門家であるハウスメーカーや工務店、あるいは資金計画についてはファイナンシャルプランナーなどに相談してみることをお勧めします。

 

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