注文住宅と建売の価格差はいくら？それぞれの特徴も徹底解説！

注文住宅と建売住宅の違いとは？

ここでは、注文住宅と建売住宅の違いについて解説していきます。それぞれの特徴をまとめると、以下のとおりになります。

 

注文住宅の特徴	建売住宅の特徴
間取りや外観を自由に設計できる	間取りや設備は固定されている
家づくりは土地選びから始まる	土地と建物がセットで販売されている
将来を見据えた設計が可能	実際に見学して購入を決められる
工期が長くなりやすい	購入後すぐに入居ができる
自由度が高いため予算管理が重要	注文住宅に比べて自由度は低い

注文住宅の特徴

注文住宅は、一から設計と建築する住宅のことです。間取りや外観、内装、設備など、細部まで自分好みにカスタマイズできるのが最大の特徴です。土地選びから始まるため、家族構成やライフスタイルに合わせた理想の住まいを実現できるでしょう。たとえば、子どもの成長に合わせた間取りや、趣味を楽しむためのスペースなども自由に設計できます。

 

また、将来のライフステージの変化を見据えた設計も行えます。老後の生活を考慮したバリアフリー設計や、子どもが独立した後の生活スペースなど、長期的な視点で家づくりを進められます。注文住宅は工期が長くなりやすく、完成までに約6ヶ月〜1年程度かかることが一般的です。自由度も高いため、細部までこだわれる分、予算管理も重要になってきます。

建売住宅の特徴

建売住宅は、不動産会社やハウスメーカーなどがあらかじめ建てた完成済みの住宅です。土地と建物がセットになっているので、すでに完成している状態で販売されています。実際に見学してから購入を決められるため、日当たりや風通し、周辺環境を直接確認できるのが大きなメリットです。これにより、完成後のイメージとのギャップを減らせるでしょう。

 

購入手続きが完了すればすぐに入居できるため、新居への引っ越しをスムーズに行えます。一方で、間取りや設備は基本的に固定されており、大幅な変更はできません。そのため、注文住宅に比べて自由度は低いと言えます。

注文住宅と建売住宅のメリット・デメリット

注文住宅と建売住宅のどちらを選ぶ際には、それぞれのメリットとデメリットを知っておく必要があります。ライフスタイルや優先順位を考慮することで、後悔のない選択に繋がります。

注文住宅のメリット・デメリット

注文住宅のメリットとデメリットをまとめると、以下のとおりになります。

 

注文住宅のメリット	注文住宅のデメリット
自分好みにカスタマイズできる	建売住宅に比べて高くなりやすい
家族構成や生活スタイルに合わせられる	こだりすぎると予算オーバーに繋がる
将来を見据えた設計が可能	事前に実物を見れないため、ギャップが生まれる場合がある

 

注文住宅の最大のメリットは、一戸建てを間取りから外観、内装、設備まで自分好みにカスタマイズできる自由度の高さです。家族構成や生活スタイルに合わせた住まいを実現でき、将来のライフスタイルの変化も見据えた設計も行えます。

 

一方で、建売住宅と比較して、価格が高くなりやすいデメリットもあります。また、完成までに半年〜1年以上の工期が必要で、こだわりすぎると予算オーバーになりやすいため注意が必要です。さらに、事前に実物を見ることができないため、完成後のイメージとギャップが生まれる場合もあるでしょう。

建売住宅のメリット・デメリット

建売住宅のメリットとデメリットは、主に以下のとおりです。

 

建売住宅のメリット	建売住宅のデメリット
注文住宅に比べて価格が安い	すでに完成しているため、大幅な変更は難しい
購入手続き後、すぐに入居ができる	外観が同じような住宅が多い
追加費用が発生しにくい	希望するエリアに物件が見つからない場合がある

 

建売住宅は注文住宅に比べて価格が安く、購入手続きが完了すれば、すぐに入居ができます。完成した住宅を実際に見学して購入を決められるため、日当たりや風通し、間取りの確認も可能です。設備もあらかじめ決められているので、追加費用も発生しにくく予算管理もしやすいです。

 

ですが、注文住宅のように自由度は低く、大幅な変更を行うのは難しいです。外観が同じような住宅が多く、オリジナリティを求める方には不向きと言えます。また、販売されている物件の中から選ぶため、希望するエリアに物件が見つからない場合もあります。間取りも決められているため、将来の家族構成の変化に対応しづらいこともあるでしょう。

注文住宅と建売の価格差は1,000万～1,500万円程度

注文住宅は建売住宅と比べると高い傾向にあり、価格差は1,000万〜1,500万円程度です。地域ごとで価格は異なるため、全国平均とあわせて、各地域の価格についてもご紹介します。

全国平均による価格差

住宅金融支援機構が公表している「2023年度　フラット35利用者調査」によると、注文住宅と建売住宅の全国平均は以下のとおりになります。

 

建売住宅	注文住宅（建築費＋土地）
3,603.6万	4,903.4万

 

全国平均で比較すると、およそ1,300万円程度の価格差があります。注文住宅は多くの場合、土地と同時に購入するため、建売住宅に比べて価格は高くなりやすいです。

 

すでに土地を持っている場合は、土地の購入が必要ないため建築費用のみになり、全国平均は3,861.1万円程度になります。土地購入を含めた注文住宅より安くなっているとはいえ、どの条件の注文住宅でも、建売住宅より高くなってしまいます。

 

【参考】住宅金融支援機構 2023年フラット35利用調査 集計表

地域によって価格に差がある

注文住宅と建売住宅は、ともに地域によって価格が異なります。それぞれの地域ごとの価格は、以下のとおりになります。

 

地域	建売住宅	注文住宅（建築費＋土地）
北海道	3,580.9万	4,965.3万
東北	2,745.2万	4,050.1万
北関東信越	2,562.9万	4,259.5万
南関東	3,988.5万	5,306.7万
東海	3,122.2万	4,964.4万
北陸	2,829.2万	3,868.7万
近畿	3,720.8万	5,266.3万
中国	3,056.0万	4,427.1万
四国	2,890.5万	4,003.3万
北部九州	3,239.8万	4,586.1万
南九州	3,249.2万	4,214.1

 

各地域で比較すると、価格差は1,000万〜1,500万円程度はあります。南関東や近畿は他の地域に比べて土地代が高いため、注文住宅の価格は高めです。建売住宅も南関東と近畿では、価格が高くなっていることがわかります。

 

人気のエリアだと土地価格が高くなりやすいため、平均以上の費用が必要になる場合もあるでしょう。また、注文住宅はデザインや性能にこだわると建築費も高額になるため、予算の管理が重要になります。

 

【参考】住宅金融支援機構 2023年フラット35利用調査 集計表

注文住宅が高くなりやすい理由

注文住宅が高くなりやすい理由は、主に以下の3つになります。

 

• 自由度が高いためコストがかかる
• 工期が長くなりやすい
• 土地と建物を別々に購入する

自由度が高いためコストがかかる

注文住宅の最大の魅力は、間取りや外観、内装、設備まで細部にわたって自分好みにカスタマイズできる自由度の高さです。しかし、この自由度の高さがコスト増加の原因になっています。

 

なぜなら、オーダーメイドの設計になるため、建築士との打ち合わせや図面作成など、多くの時間と人件費が必要になるからです。デザイン性の高い外壁や特注の内装材を選ぶと、その分コストも上がってしまいます。

 

キッチンやバスルームなどの設備のグレードを上げるほど、価格も高くなる傾向にあります。自分だけのオリジナリティを追求できる一方で、予算管理も難しくなるでしょう。

工期が長くなりやすい

注文住宅は土地の購入から設計、施工までを行うため、建売住宅に比べて工期が長くなります。一般的に、注文住宅の建築は半年〜1年以上かかることが多いです。特に職人や建築士などの人件費は、建築費用の多くを占めています。工期が長引けば長引くほど人件費も増加し、結果的に工事費用が高くなってしまうでしょう。

 

細かな打ち合わせや設計変更が生じるたびに、追加の時間と費用が必要になることも少なくありません。完成度の高い住宅を目指す一方で、工事の長期化はコスト増加に直結しやすいです。

土地と建物を別々に購入する

注文住宅の場合、多くは土地と建物を別々に購入します。まず土地探しから始まり、その後に住宅の設計や施工を行うのが一般的です。

 

この場合、土地と建物それぞれの取引に費用がかかります。具体的には、不動産の仲介手数料や印紙税、登記費用などが二重に発生することになります。また、人気のエリアは土地の価格が高めに設定されているため、より多くの費用が必要になるでしょう。

建売住宅が安くなりやすい理由

建売住宅が安くなりやすい理由は、主に以下の3つになります。

 

• 間取りや仕様が一定になっている
• 土地と建物をセットで販売している
• 工事のスケジュールが効率化されている

間取りや仕様が一定になっている

建売住宅は間取りや仕様が統一されているため、設計にかかるコストを大幅に削減できます。内装や設備も同じグレードを使用することが多く、資材をまとめて購入するため、仕入れコストも抑えられます。

 

一つひとつの住宅をオーダーメイドで設計する必要がなく、設計や施工の手間を省けるため、販売価格を安く設定することができます。

土地とセットで販売している

建売住宅は土地と建物がセットになっているため、取引にかかる諸費用を抑えられます。というのも、土地と建物を一度に購入できるので、不動産仲介手数料や契約時の印紙税、登記費用などが一度で済むからです。

 

また、建売住宅を手掛けているハウスメーカーや工務店などは、複数の区画をまとめて購入することが多く、土地の仕入れコストを削減できます。仕入れにかかる費用を抑えられるため、建売住宅の販売価格に反映されるのです。

工事のスケジュールが効率化されている

建売住宅は、複数の住宅を同時に建築することが多いため、工事の効率よく進められます。細かい打ち合わせも少なく、工期も短縮できるため、現場管理や施工管理に必要な人件費も削減できます。

 

作業の流れもパターン化して作業しているため、工期が短くなりやすく、無駄なコストが発生しにくいです。たとえば、すべての家を同じ仕様に統一すれば、職人さんはマニュアル通りに作業するだけになるため、ミスも少なく工事のスピードアップに繋がります。

 

さらに、完成後の在庫リスクを軽減するため、市場価格よりやや抑え目に販売価格を設定するケースもあります。売れ残りが長期化すると維持費がかさむため、早期販売を重視した価格設定も、建売住宅が比較的安価になる要因の一つです。

価格差以外に比較する際のポイント

注文住宅か建売のどちらかを選ぶ際には、価格だけでなく、入居までの期間や保証内容、ライフスタイルとの相性などから比較することも大切です。

入居までの期間とスケジュール

注文住宅の場合は、土地の購入から設計、施工、完成までに半年〜1年程度かかることが一般的です。土地探しから始める場合は、より多くの時間がかかるでしょう。長期的な計画になるため、仮住まいを用意したり、引っ越しのタイミングを決めたりする必要があります。

 

一方で、建売住宅はすでに完成している状態で販売されているため、契約の手続きが完了すれば、すぐに入居ができます。住宅ローンの審査期間を除けば、1〜2ヶ月程度で新居への引っ越しが可能です。仮住まいを用意する必要がなく、引っ越しのスケジュールも立てやすいです。

 

どちらかを選ぶ際には、スケジュールの立てやすさや引っ越しの手間も考えて決める必要があります。特に子どもの入学や転勤などのライフイベントがある場合は、入居時期が重要なポイントになるでしょう。

保証やメンテナンスの違い

注文住宅と建売住宅は、ともに10年間の「瑕疵担保責任」が住宅品質確保法で義務付けられています。瑕疵担保責任とは、基礎や柱、屋根、外壁などの欠陥が見つかった場合に保証を受けられる制度です。

 

会社によっては、独自の保証を提供していたり、定期点検やアフターサービスも行っていたりします。保証やアフターサービスの内容は異なるため、複数の会社と比較検討する必要があります。安心して住み続けるためには、保証やメンテナンス体制の充実度も判断材料にすべきでしょう。

間取りやライフスタイルとの相性

注文住宅では、家族構成や生活習慣、趣味などに合わせた間取りを自由に設計できます。たとえば、料理が好きな方は広いキッチンスペースを確保したり、在宅ワーク用のスペースを設けたりすることができます。また、家族構成の変化や老後の生活に対応しやすい設計も可能です。

 

建売住宅は間取りや設備がすでに決められているため、理想とぴったり合うかどうかは物件次第です。とはいえ、物件の見学を繰り返すことで、ライフスタイルにあった間取りの物件を見つけられる場合もあります。

価格差だけでなく「コストパフォーマンス」で考える

注文住宅と建売住宅を比較する際、単純な価格差だけでなく、コストパフォーマンスから考えることも重要です。建売住宅は注文住宅よりも価格が安いとされていますが、その差額が本当にお得なのか、判断する必要があります。

初期費用と維持費の確認

注文住宅は自由に設計できる分、価格が高くなりやすいです。間取りや外観、内装まで細かく指定でき、こだわりの住まいを実現できますが、その分コストがかかります。一方、建売住宅は材料をまとめて材料を仕入れるため、注文住宅よりもコストを抑えられます。

 

ですが、初期費用だけでなく、完成後にかかる維持費も重要なポイントです。長期的に見ると、断熱性能や耐久性の高い住宅は、光熱費や修繕費を抑えることに繋がります。注文住宅では高性能な断熱材や設備を自由に選べるため、将来的な維持費を削減できる可能性があります。

 

こちらの記事では、住宅購入の資金計画に関して詳しく解説しています。ローンの種類や選び方などもご紹介しているので、合わせて読んでみてください。

 

住宅購入の資金計画で失敗しない！ローンの種類や選び方を解説

建売でもコスパの良い物件は選べる

建売住宅は注文住宅よりも安いというイメージがありますが、すべての建売住宅がコストパフォーマンスに優れているわけではありません。物件によって品質やデザイン、立地条件が大きく異なるため、しっかりと比較検討することが重要です。

 

最近の建売住宅は、高気密・高断熱などの性能面でも向上しており、注文住宅に引けを取らない物件も増えています。特に大手ハウスメーカーが手がける建売住宅は、標準仕様でも高品質な設備や断熱性能を備えていることが多いです。

将来的な資産価値を含めて判断する

住宅は資産としての側面も持っているため、将来的に売却や賃貸に出す可能性がある場合は、資産価値が維持されやすい物件を選ぶのも良いでしょう。資産価値が維持されやすい住宅の特徴としては、以下のような点が挙げられます。

 

• 立地条件が良い
• 耐震、断熱などの性能が高い
• 定期的なメンテナンスが行われている
• 地域の将来性がある

 

注文住宅の場合、上記の要素を自分の意志で組み込めますが、建売住宅では既に決まった仕様の中から選ぶことになります。初期費用が高くても、立地条件が良く、基本性能の高い住宅を選ぶことが、長期的には資産価値の維持に繋がるでしょう。

 

特に立地条件は住宅の価値に大きく影響します。利便性の高いエリアや、将来的に発展が見込まれる地域の物件は、長期的に見ても資産価値が下がりにくい傾向にあります。

注文住宅と建売住宅が向いている人の特徴

注文住宅と建売住宅にはそれぞれ特徴があるため、ご自身のライフスタイルや優先順位から決めていく必要があります。選び方の参考として、注文住宅と建売住宅が向いている人の特徴を解説します。

注文住宅が向いている人の特徴

注文住宅は自分好みにカスタマイズができるため、デザインや性能にこだわりたいと考えている方におすすめです。具体的には、キッチンの広さや収納の配置、部屋ごとの日当たりなどを自由に設計できます。さらに、家族構成や趣味に合わせた専用スペースの確保もでき、特別な空間を作り出せるのも大きな魅力です。

 

また、子どもの成長に合わせた間取りや、老後を見据えたバリアフリー設計といった将来のライフステージの変化も考慮した計画が立てられます。親世帯との同居を考えている方は、二世帯住宅を見据えた家づくりも検討すると良いでしょう。

 

ただし、注文住宅は完成まで1年以上かかることもあり、建売住宅より高額になりやすいです。設計から打ち合わせ、施工まで時間をかけて行うため、すぐに入居したい方には向いていません。じっくり時間をかけて理想の家づくりを楽しみたい方や、予算に余裕がある方に向いているでしょう。

建売住宅が向いている人の特徴

建売住宅はあらかじめ建てられた住宅を購入するスタイルのため、購入手続きが完了すればすぐに入居できます。転勤や子どもの入学など時間的制約がある方にとっては最適と言えるでしょう。

 

また、実物を見ることができるため、完成後のイメージがしやすいです。実際に見学をして、日当たりや風通し、部屋の広さなど、図面ではわかりにくい住み心地を体感してから購入を決められるのは大きな安心感に繋がります。また、周辺環境や近隣施設の利便性も含めて、実際の生活をイメージしながら検討できるのも魅力の一つです。

 

しかし、建売住宅は同じような見た目が多く、ご自宅にオリジナリティを求める方にとっては不向きと言えます。また、建築後の大幅な間取り変更は難しく、将来的なライフスタイルの変化に対応しにくい場合もあります。時間をかけずに新居に住みたい、実際の住宅を見てから決めたい、そして少しでも予算を抑えたい方には、建売住宅がおすすめです。

まとめ

本記事では注文住宅と建売住宅の特徴や違い、価格差について解説していきました。注文住宅は自由に設計できる魅力がある一方で、価格が高くなりやすいです。土地を同時に購入する場合は追加費用が必要になり、南関東や近畿圏では土地価格が他の地域と比べて高くなりやすいです。

 

建売住宅だと注文住宅に比べて価格は安く、購入後の手続きが完了すれば、すぐに入居ができます。一方で、外観は統一されていることが多く、デザインにこだわりを持っている方には不向きと言えます。

 

また、価格差以外での比較も必要です。具体的には、保証やメンテナンス、購入後の維持費、将来的な資産価値などがあります。ご自身のライフスタイルや優先したい条件にあわせて、注文住宅と建売住宅のどちらが良いのか慎重に検討しましょう。

 

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